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森保ジャパン、即席ミーティングの内実は… サウジ戦での臨機応変さと必殺の“ポケット攻略”〈史上初のW杯最終予選5連勝〉 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2022/02/02 11:45

森保ジャパン、即席ミーティングの内実は… サウジ戦での臨機応変さと必殺の“ポケット攻略”〈史上初のW杯最終予選5連勝〉<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

伊東純也の追加点に一体となって喜ぶ日本代表。サウジ戦の快勝はチームにさらなる勢いをもたらすはず

 正確に言えば、サウジアラビアの超攻撃的左サイドバックのヤシル・アルシャハラニ(13番)と、伊東のどちらが主導権を握るのか。

 日本はアルシャハラニを必要以上にリスペクトするのではなく、このサイドを徹底的に狙うことでアルシャハラニの攻撃力を削いでいった。

中国戦に続いて有効だった“ポケット”を突く攻撃

 この際に有効だったのがペナルティエリアの右奥、いわゆる“ポケット”を突く攻撃だ。

 実は、この攻め筋は1月27日の中国戦でも何度も披露している。

 伊東がドリブル突破でえぐるだけでなく、ハーフスペースからインサイドハーフの守田や右サイドバックの酒井宏樹が飛び出したり、逆サイドから南野が走り込んだりする、再現性の高いアタックだ。守田がチームの狙いを明かす。

「ポケットを意識して、そこを取ってからクロスという練習はしていました。中国戦の先制ゴールもそこから生まれていますし、相手が嫌がっているのは分かっていたので。純也くんはスピードがあって角を取るのが上手いし、後半の最後のほうに(前田)大然が飛び込んだのも相手にとって嫌な形だったと思います」

 サウジアラビア戦での先制点も、伊東が角を取るパターンから生まれた。速攻から酒井が右サイドのオープンスペースにボールを送り込むと、伊東が加速して突破し、マイナスのクロス。大迫勇也のスルーから南野が魂のこもった一撃をねじ込んだ。

 まんまと自分のエリアを攻略されたアルシャハラニはそれ以降、頻繁に高い位置を取れなくなってしまった。

 主導権争いに、勝負あり――。

「相手の左サイドがストロングポイントで、攻めてくるのは分かっていたので、うまく裏返せればいいと思っていました。1本カウンターを狙ってやろうと思っていた」と伊東が胸を張る。

ボール非保持では敗戦した前回の反省を生かした

 ボール非保持においては、0-1で敗れた21年10月の前回対戦からの修正が見て取れた。

 サウジアラビアの基本フォーメーションは4-2-3-1。しかし、攻撃時には左サイドハーフのサレム・アルドサリ(10番)がインサイドに入り、アルシャハラニがウイングのようなポジションをとって5トップにしてくる。

 いわゆる“5レーン”を埋めるような相手の可変システムに対して、日本は4-5-1の形で対応し、守田と田中碧がハーフスペースを塞いで、ほころびを生じさせなかった。

「高い位置から相手にプレッシャーをかけることと、ミドルゾーン、ディフェンスゾーンでブロックを作って相手にプレッシャーをかけることは、ミーティングやトレーニングで共有してきました。しかし、どのタイミングで使い分けていくかは、選手たちが戦況を感じ取りながら、ピッチ内で対応力を持って意思統一しながらやってくれた」

 そう振り返ったのは、森保一監督である。ここでも選手たちの自主性、臨機応変さが発揮されたというわけだ。

【次ページ】 「批判がエネルギー」長友の意地は左SB争いを熱くする

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