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中村憲剛が中国戦で感じた「谷口彰悟と板倉滉の覚悟」とは…“論争”が続く左SBは「南野拓実との関係性から語られるべき」 

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2022/01/31 17:01

中村憲剛が中国戦で感じた「谷口彰悟と板倉滉の覚悟」とは…“論争”が続く左SBは「南野拓実との関係性から語られるべき」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

左SBのポジションを争う長友佑都と中山雄太について、中村憲剛氏は両者のプレースタイルの違いを踏まえて「左ウイングとの関係性から語られるべき」と指摘した

効果的なポジションチェンジを繰り返した中盤の3人

 序盤から谷口と板倉のふたりが、ビルドアップでミスなくテンポ良くパススピードの速いボールを循環させることで、中国は狙いを絞りにくかったでしょう。そこには遠藤航、田中碧、守田英正のボールへの顔出しのタイミングの良さもあったと思います。とくに守田と田中は、谷口と川崎フロンターレでプレーしていました。パス出しのイメージが合っていますから、中国からすると想像以上にボールを回されたのではないかと思います。

 中国は4-2-3-1のシステムを敷いて、4-3-3の日本と形を合わせて、前線からプレスをかけてきました。

 そこで彼ら3人は何をしたのか。右インサイドハーフの田中がアンカーへ下りたり、左インサイドハーフの守田が外へ出たり、アンカーの遠藤が前へ出たりと、ポジションを頻繁に変えていったのです。それによって相手を混乱させながら、中国はマンツーマンなのかゾーンなのか、ゾーンならどこまでついてきてどこで離すのか──といったことを序盤から見定めていきました。プレビューで指摘した「相手を見てプレーする」ことを、鮮やかに実践して中盤を制圧したのです。

 先制のPKにつながる流れでは、守田がアンカー、遠藤が右インサイドハーフのポジションを取り、守田から遠藤へ斜めのクサビのパスが入ったことが起点になりました。彼ら3人は「自分を見るべき選手が困る状況」を頻繁に引き起こすことで、中国の守備がハマらないようにしていったのです。

 替えが効かなくなってきている印象の3人ですが、この試合に関しては田中のコンディションとフィーリングに少し感じるところがありました。所属クラブでのプレータイムが十分でないことやスタイルの違いでボールタッチ、ポジショニング、ターン、球際のシャープさといった部分が、トップフォーム時と少し違うかなとの印象を受けました。ただ、それも本当に細かな部分です。中国戦にフル出場したことで、コンディションは上がるはずです。サウジ戦ではより良いコンディションとフィーリングで臨んでくれると思います。

【次ページ】 中村憲剛は論点の「左サイド」をどう見る?

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