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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「絶対に試合の入りを間違えてはいけない」中村憲剛が力説するサウジ戦“必勝”への備え「立ち位置の“すみ分け”とボールの失い方には要注意」
posted2022/01/31 17:02
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
運命を分けるビッグマッチが刻一刻と迫っている。
カタールW杯アジア最終予選は残り3試合となり、日本は5勝2敗の勝ち点15でグループ2位をキープしている。首位のサウジアラビアとは勝ち点4差、3位のオーストラリアとは勝ち点1差で、2月1日にサウジと激突する。
アウェイで苦杯をなめた相手を下し、勝ち点1差に詰め寄ることができるのか。1月27日の中国戦で見えた収穫と課題、さらにはサウジ戦のポイントを、元日本代表MF中村憲剛氏に解説してもらう(全2回の2回目/前編へ)。
◆◆◆
中国戦で見えたサウジ戦への課題として、アタッキングサードの質をあげたいと思います。いつ動き、いつ出すのか。受け手と出し手の感覚を合わせたいところです。「イメージの共有」と「正確性」は相手最終ラインを攻略するうえで非常に大きなポイントで、受け手のポジショニングの正確性と、相手にとって嫌な位置へ走りこむタイミングと場所の正確性が大事になります。
スピードを上げる瞬間にイメージが合わず、ミスが生まれてカウンターを受けるシーンが散見されました。サウジはカウンターの切れ味もスピードも中国より鋭いですから、「ボールの失い方」もひとつのポイントになるでしょう。
ブロックの外側だけで慎重にボールを回していても、相手は嫌がりません。どこかで守備ブロックの隙間にボールを刺す瞬間を作らないといけないでしょう。そうなるとミスが生まれ、カウンターを受けるシーンは増えると思います。その時にカウンターへのリスク管理をしっかりしておかなければいけません。
気になったカウンターとセットプレーへの対応
後半途中からトライした4-2-3-1では、「立ち位置のすみ分け」を意識してほしいところです。
トップ下に久保建英が入ったあと、後ろからビルドアップをしている時に南野拓実と伊東純也も中へ入っていて、1トップの前田大然も加えて前線の4人が狭いスペースに集まることがありました。中央が渋滞してしまったのです。その状態でボールをカットされ、カウンターを受けることがありました。失い方としては良くありません。