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「ウマ娘」に“実名出演”で話題に…細江純子が肌で感じた影響力と“大ヒットの理由”「馬にも個性がある。その視点が好きなんです」
posted2021/12/24 11:04
text by
音部美穂Miho Otobe
photograph by
Keiji Ishikawa
「スナックズンコ」に込めた思い
現在、細江はテレビや新聞等での解説のほか、自身のYouTubeチャンネル「スナックズンコちゃんねる」での情報発信にも力を入れている。「スナックズンコちゃんねる」では、細江がスナックズンコのママという設定で、予想を展開。記者や競馬関係者との対談などもあり、競馬界の裏話を知ることもできるのも嬉しい。
チャンネル開設に込めた思いを細江は次のように語る。
「日本の競馬サークルでは、調教師、調教助手、厩務員、騎手といった役割の壁が厚く、気軽に話し合える機会が少ない気がします。それもあるからか、香港に取材に行った際、レース終了後、騎手、調教師、競馬記者からファンまでもが一堂に会して交流する場があるのを見て、感銘を受けたんですよ。同じように、日本でも、みんなで馬のことを考えてフラットに語り合える場が欲しいなぁって。
もちろん、普段から馬を世話している厩務員さんや調教師さんが馬のことは一番分かっているとは思うけれど、ずっと馬券を買い続けているファンだからこそ感じることもあるかもしれない。そうやっていろいろな意見が生まれることで馬も幸せになれるし、競馬界の発展にもつながるんじゃないかと思ったんです」
‘20年には、気軽に競馬を語り合えるリアルな場として東京・錦糸町に「スナックズンコ」がオープン。そのアドバイザー役としてかかわっている。
「現在はここでYouTubeの撮影も行っていて、私も東京で仕事の際は、立ち寄ることも多いです。コロナで営業できなかった期間もありますが、今は競馬関係者やファンの方が集って、夜な夜な競馬談義に花を咲かせていますよ」
“ウマ娘に出てくる人”細江が肌で感じた影響力
YouTubeチャンネルでは、「ウマ娘 プリティダービー」の声優を招いたことも。「ウマ娘」は、実在した競走馬を美少女化し、仲間やトレーナーとともに学園生活を送り、レースでの勝利を目指すというストーリーで、ゲーム、アニメ、漫画とクロスメディアで展開。インターネット上で流行した単語をランキングする「ネット流行語100」の2021年間大賞に選ばれるなど、大ヒットを記録している。
アニメ版に実名で解説者役として出演している細江も、その影響力を肌で感じているそうだ。
「競馬場で、若い人たちに『ウマ娘、見てます』って話しかけられることが増えたんですよ。彼らにとって私は“ウマ娘に出てくる人”なんでしょうね。『ウマ娘』をきっかけに、これまで競馬を知らなかった人たちが興味を持って、競馬場に足を運んでくれるのはとても嬉しいことです」