「芦ノ湖が見えてきて、大鳥居の坂道を上り切ったところから徐々に動きを変化させていく。関所を越えていくと最後は下るんですけど、そこで動きを変える感じですね」

4代目山の神になるには「まず神野君と互角に戦えないと」

　今回の箱根駅伝も5区には猛者が集うことになる。東洋大の宮下を始め、青学大は飯田貴之（4年）、創価大は三上雄太（4年）、國學院大は殿地、帝京大は細谷翔馬（4年）らがおそらく山を駆けると見られている。注目はそこで4代目・山の神が生まれるかどうかだろう。

「4代目ですか……先日、激坂最速王決定戦で神野（大地）君が圧倒的な力を見せて勝ったんですけど、4代目になるには、まず神野君とある程度は互角に戦えないと、と思いましたね。みんな、山の神になりたがっているのかもしれませんが、神野君は『なれるものならなってみろ』と言わんばかりの走りで、赤子の手をひねるようでした。今回は、あまり煽らず、フラットに5区を見て行こうと思っています」

　柏原さんの話を聞いていると新たな山の神の誕生は、かなりハードルが高そうだが、注目選手以外から突然驚くような走りを見せる選手が生まれてくるケースもある。

　それもまた箱根駅伝の一つの面白さでもあるのだ。