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[監督が明かす最新事情]愛と苦悩のスカウト戦略 早稲田大学/國學院大学
posted2021/12/18 07:04
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Hirofumi Kamaya / Kiichi Matsumoto
ほんの少し前まで、5000m13分台の記録を持つ高校生は「スーパー高校生」と称され、その年のスカウトの目玉だった。今でも簡単に出せるタイムではない。
しかし、今年度はすでに30人超の高校生が13分台をマークしており、以前のように逸材ともてはやされる時代ではなくなった。タイムの水準が上がっているからこそ、数字に現れない才能を見極めるスカウティングは、ますます重要になる。
ここでは伝統校の早稲田大学と、近年活躍が目覚ましい國學院大学を事例に、それぞれの戦略を紐解く。
箱根駅伝に出場している大学のスポーツ推薦枠は10前後だという。なかには、それ以上の推薦枠を持つ大学もある。
しかし例年、推薦枠が3前後と極端に少ないのが早稲田大学だ。早大といえば、瀬古利彦、渡辺康幸、大迫傑……と、エンジのエースの多くがオリンピアンに羽ばたいている学生長距離界きっての名門だが、決してスポーツ推薦制度が充実しているわけではない(そもそも時代が異なるとはいえ、瀬古は一浪して入学している)。
早大の入学制度は大きく分けて「スポーツ推薦(アスリート選抜入試)」「トップアスリート入試」「系属校・附属校から」「自己推薦入試・指定校推薦入試」「一般入試」などがある。
スポーツ推薦で入学した者は、競技のみに専念すればいいわけではない。競技成績だけでなく学業成績も大学に報告し、評価を受ける仕組みになっている。そのため、自らスカウトに赴く相楽豊駅伝監督は、学生の高校生活の様子にも目を配っている。