「早稲田は伊藤（大志）君、石塚（陽士）君の1年生がすごくいいですね。とくに石塚君は出雲4区で区間賞を取るなど好調ですし、彼らが4年生とうまく融合すればすごくバランスがいいチームになると思います。ただ、27分台の選手が3人いるんですが、少しパンチ力に欠ける印象があります。中谷（雄飛・4年）くんが覚醒してくれると早稲田は面白いなと思いますね」

　早稲田は出雲6位、全日本6位と成績は悪くないが、区間賞は出雲4区で石塚が取っただけだ。戦える選手を揃えてきてはいるが柏原さんの言葉通り若干パンチ力が足りないのかもしれない。中谷、太田直希（4年）、井川龍人（3年）は10000m27分台だが、タイム通りの走りを駅伝では披露していない。その実力通りの走りができれば、面白い存在になりそうだ。

母校には辛口「4年生があまり走れていないような気が…」

　母校の東洋大のことは、どう見ているのだろうか。

「駅伝では4年生が非常に重要だと思っているんですが、その4年生があまり走れていないような気がしています。蝦夷森（章太）君とか、2年生の時に箱根を走っていますが、彼のような選手がしっかりとした走りをしてくれることが重要です。石田（洸介）君、梅崎（蓮）君ら1年生はすごくいい選手がいて頑張っている。宮下（隼人・4年）君と松山君には、よりエースとしての自覚を持って戦ってほしい」

今年の全日本大毛区駅伝ではまさかの10位に沈んだ東洋大学。4年エースの宮下は再びチームを浮上させられるか？　©Yuki Suenaga

　OBの視線は厳しいが、それも母校を愛するがゆえだ。名前を上げられた選手は柏原さんの檄に発奮し、期待に応えられるだろうか。

「明治は勢いがついたら怖い存在ですね」

　予選会から上がってきたチームでは明大と専修大に注目する。

「明治は力はあるので、箱根本番に向けて個々人のピーキングを合わせられるかどうか。長距離が苦手な選手もいる中でどう戦っていくのか。勢いがついたら怖い存在ですね。

　専修は柴内（康寛）コーチが箱根に出続けるために、伝統の力を重んじている。専修のSのマークやユニフォーム、着る物にこだわりを持つことをチームに浸透させようとしているんです。そうやって選手のモチベーションを上げつつ、練習では昨季できなかった単独走を今季は重視するなど、目的を明確にして強化しています。面白い戦いを見せてくれるのではないかと思います」

柏原さん「専修のSのマークやユニフォーム、着る物にこだわりを持つことをチームに浸透させようとしている」　©Yuki Suenaga

柏原再注目の選手は「帝京大4年の3区スペシャリスト」

　チームを離れて注目の選手を尋ねると少し意外な名前が挙がってきた。

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