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箱根駅伝は「4年間レースプランなし」…柏原竜二32歳がランナーに伝えたい“5区を攻略するための3つのポイント”
posted2021/12/18 17:06
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
「東洋がいい時って3区、4区がいいんですよ」
東洋大OBで2代目山の神である柏原竜二さんは、そう語る。
「それは今も非常に重要な区間です。2区も大事ですが、この3区、4区に強い選手を置いて、いかにいい流れを作れるか。特に4区。最後の上りだけでも30秒ぐらい差がつくので、すごく大きいんですよ」
3区、4区を重視しつつ、今回の箱根駅伝で柏原さんが注目するチームはどこになるのか。
「國學院と早稲田です」
優勝候補と言われる駒大や青学大ではなく、あえて2校を挙げた理由は何なのだろう。
柏原竜二が「國學院・早稲田」を推すワケ
「國學院は出雲4位、全日本4位と安定していますし、激坂最速王決定戦で殿地(琢朗・4年)君が学生トップになったのがすごく大きな収穫でした。また、3区、4区を任せられるいい選手もそろっています。3区には平林(清澄・1年)君を推したい。3区は最初に突っ込み過ぎると後半失速しますし、平地が長いので、リズムを掴めないと伸びません。平林君は全日本で最初ゆっくり入って、後半にぐっとペースを上げて東洋の松山(和希・2年)君を引き離した。出雲で突っ込んでしまった経験をちゃんと生かしてレースができていた。そのクレバーさは1年生らしからぬものがあります。ペースをつかむのがすごくうまい。3区平林君、4区木付(琳・4年)君、5区殿地君でいい流れができると思いますね」
平林は出雲駅伝でデビュー。アンカーで出走し、序盤に飛ばして後半はバテて失速したものの4位に貢献した。前田康弘監督が「非常に将来性を感じさせる選手」と語るように将来のエース候補だ。また、1年生では山本歩夢が学連10000mの記録会で28分41秒59の自己ベストを出し、箱根での出走が有力視されている。1年生と4年生の層が厚く、2大会前の総合3位を越える力は十分に備えている。
「ただ、國學院は大砲がいないんですよね。平林君にいずれそうなってほしいのだと思いますが、今はまだそこまでは至っていないと思いますので、ひとつミスが出てしまうとレース展開に大きく響いてしまう可能性があります」
総合3位を獲得した時は、土方英和、浦野雄平というダブルエースの活躍が大きく、その流れに他選手が乗って、いい流れで歴史を作った。今回は果たして柏原さんの言う3区、4区で主導権を握れるだろうか。
早稲田は「中谷くんが覚醒してくれると面白くなる」
同じく注目校に挙げた早大の強みもチームバランスにあると見ている。