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ヤクルト森岡良介コーチが明かす“山田哲人&村上宗隆”守備力UPの秘策とは〈メンタルに“表情改革”の効果あり!?〉
posted2021/11/02 11:04
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Sankei Shimbun
コロナ禍の「新しい応援スタイル」による静けさのなか、スワローズベンチからひと際元気な声を響き渡らせる。あるいは守備中、ベンチ脇に立ち、大きな身振り手振りで守備位置の指示を出す――
ヤクルトの試合中継を見れば必ずや感知するであろう“小柄な青年”といえば、森岡良介内野守備走塁コーチ(37)、その人だ。
現役時代からムードメーカーで知られ、2015年には選手会長としてリーグ優勝でビールかけの音頭をとった。今季は一軍コーチとして高津臣吾監督を支え、6年ぶりの頂点に。二塁に山田哲人、三塁は村上宗隆と、両スターを擁するスワローズ内野陣の成長を、頼れる兄貴分はこう語る。
「一番成長したのは、取れるアウトをしっかり取れるようになったことです。勿論ミスはあるんですけど、その後も引きずらず、塁に出してもゲッツーを取れたり、試合の最後までみんなが集中している、というところに尽きると思います。特に内野のなかでは哲人の存在が大きいです」
ヤクルトの“奪併殺数”が上昇した理由
山田は今季、前半戦は足の故障を抱えながらの出場だったが、熾烈な優勝争いを繰り広げた終盤戦では二塁守備でビッグプレーを連発した。今季は9回打ち切りの影響で守備機会が減ったにも関わらず、ヤクルトの内野守備での奪併殺数は「106」。120試合だった昨季は「82」(143試合に換算すると「97.7」)で、確実に前進している。これは、遊撃を担った西浦直亨や元山飛優の成長とともに、山田の守備力の進化によるところも大きかった。
「技術的にいえば、ゲッツーのピボット(ボールの転送)の速さや、送球の強さが改善されました。足が悪い時期もあったけど、球際も凄く強くなっている。何とか粘り強く守る、というところが出来ていると思いますね。哲人は春先からいっつもゴールデングラブ賞を取りたい、って言ってましたが、今年は本当に安定感がありますよ。二塁は強力なライバル(8年連続受賞中の広島・菊池涼介)がいますけど、いつか取って欲しいですよね」