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プロ球界で“軟式出身選手”が活躍中…全軟連は「勝利至上主義」「競技人口減」をどう考える?〈古希VS小学生の試合も!?〉

posted2021/10/30 17:03

 
プロ球界で“軟式出身選手”が活躍中…全軟連は「勝利至上主義」「競技人口減」をどう考える?〈古希VS小学生の試合も!?〉<Number Web> photograph by KYODO

東京五輪の日本代表にも選ばれたカープ・森下暢仁、栗林良吏も“中学軟式”出身だ

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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 10月11日に開催されたプロ野球新人選手選択会議(ドラフト)で、総勢128人がプロ球団から指名を受けた。これから仮契約を経てプロ入りするわけだが、ドラフトには二つの見方ができると思う。

 一つはこの結果を受けて、選手が所属したアマチュアチームの指導についても一様の評価が下されるということ。そして、もう一つは、これからの活躍如何も、それらのチームでの指導・教育と関係しており、この事実を受け止めることが肝要だということだ。

「そういった現象が起きているのは強みになっている」

 全日本軟式野球連盟(以下、全軟連)の小林三郎専務理事が胸を張って話したのは、2019年のプロ野球の開幕投手において、外国人を除くすべての投手が中学の軟式野球出身だったという事実を受けてのものだった。今年のドラフトでも、森木大智(阪神1位)や山下輝(ヤクルト1位)をはじめ、全体の40%以上が中学軟式出身だったという。

「学童」と「古希世代」が試合!? 軟式と硬式の違い

 昨今プロ球界で、中学軟式出身、特に投手の活躍が目覚ましい。

 セ・パを代表するエース級の投手・千賀滉大(ソフトバンク)や菅野智之(巨人)、東京五輪の決勝戦に先発した森下暢仁(広島)、胴上げ投手になった栗林良吏(広島)など中学軟式出身投手が球界を席巻している。

 これまでボーイズやシニアなど硬式野球団体の方がプロに多く選手を輩出しているという現実があった中で、軟式野球はどのような道を歩んできたのだろう。

「軟式野球がこれまでやってきたのは『生涯スポーツ』としての位置付けです。全国規模の大会が19個あり、学童や大学生のみならず、シニア、マスターズ向けのものもある。また、全国大会ではないものの、ある地区では“グラウンド古希”という大会もあり、学童と一緒に大会を開催しているところもあります」

 学童と古希世代が同じグラウンドでプレーできるのは、投手と捕手間など、ダイヤモンドの距離、広さに関係している。おじいちゃんと孫やひ孫くらいの年齢差のある選手が一緒にプレーしている姿を想像するとなんとも微笑ましいが、勝つための、あるいは、「プロ予備軍」でもある硬式とは異なった性質を持っているのだ。

【次ページ】 軟式野球にも“勝利至上主義”

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