プロ野球PRESSBACK NUMBER
<中日・立浪新監督>ドラフトの“長距離砲トリオ”に課題? 平均2.8点の貧打解消策は《大胆コンバート》? 山崎武司の忖度なし提言
posted2021/10/30 11:03
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Sankei Shimbun
点数が取れない――。
今シーズンの中日の弱点は明らかだった。チーム得点はリーグ唯一の400点台となる405点。1試合平均2.8点と3点にも満たない。チーム打率、本塁打もリーグワースト。リーグトップのチーム防御率3.22と安定感抜群の投手陣がそろっていても、白星を積み重ねるのが難しかった。
5番に捕手・木下を置いてみては?
1986年に愛工大名電からドラフト2位で中日に指名され、優勝も経験した山崎武司さんも古巣が5位に沈んだ理由を「得点力不足」と指摘した。特に「5番打者」を重視したチーム作りの必要性を説く。
「得点が入らない最大の原因は長打を打てる5番、打点を稼ぐ5番がいなかったこと。4番のビシエドありきの打線で、ビシエドが打たなければ点数が入らない」
今シーズンの中日は、打線の核となる4番ビシエドの後ろを主に高橋周平に任せていた。山崎さんは「高橋の打撃技術は高い」と評価する一方、「長打がないので、相手バッテリーへのプレッシャーが少ない」と今の中日では5番に座るタイプではないと考えている。山崎さんが5番に推すのは、木下拓哉だ。
「捕手だからという理由もあるのか、頑なに7、8番に置いていたが、打順を上げるべきだと感じていた。5番に長打がないと、相手は精神的にゆとりを持ってビシエドと勝負できるし、場合によっては勝負を避けられる。本塁打を打てる木下が5番にいると、ビシエドと勝負せざるを得ない状況になる。高橋は6、7番の方が打線は機能したと思う」
プロ6年目の木下は今シーズン、自己最多の123試合に出場して打率.270、11本塁打、43打点を記録した。
一方、高橋は打率.259、5本塁打、39打点。単純な数字の比較でも、木下の成績が高橋を上回っているだけではなく、打席数を比べると相手バッテリーが抱くプレッシャーを想像できる。打席数は高橋の520に対して、木下は393。本塁打の出る頻度は35.7打席に1本の木下に対し、高橋は104打席に1本と大きな差がある。一発への警戒が必要な打者はどちらなのか明らかだ。
固定できなかった二塁手には「あの選手」を
そして、山崎さんは「5番打者」に加えて、固定できなかった「二塁手」の問題も同時に解決する大胆な案を披露した。