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<ヤクルト&オリックス> キーワードは「ホークアイ」と「風呂場」!? 史上初、セ・パともに前年最下位から優勝の秘訣って?
posted2021/10/31 06:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
今年のプロ野球は歴史的だった。
『下剋上イヤー!!史上初セパ前年最下位から頂点』(スポニチ10月28日)
最下位チームがなぜここまで。スポーツ紙の読みどころもこのあたりにありそうです。
ではヤクルトが優勝した翌日(10月27日)の一面から見ていこう。私が注目したのは「スポーツ報知」「東京中日」「デイリー」。この3紙はそれぞれ巨人、中日、阪神という強烈な”推し球団”がある。「他球団」の優勝をどう扱ったか。
「報知」の一面は『長嶋さん文化勲章』。なるほどこっちのニュースか。しかし仕掛けがあった。この一面はそのまま抜き取ることができた。そうすると長嶋さん紙面は永久保存版となり、抜き取ったあとの三面には「スポーツ報知」ではなく「タカーツ報知」と銘打ち、高津臣吾監督が舞うヤクルト優勝紙面が出てくる。むしろヤクルトファンにとって永久保存版だったかも。
次に「東京中日」を見てみよう。一面に『優勝ヤ!!』。ヤクルト優勝記事がデカデカと。しかし私はその横にある見出しに目が奪われた。
『ビシ&ライデル残竜 4面』
さっそく四面を開くと「立浪新体制へ最大の懸案解消」としてダヤン・ビシエド内野手とライデル・マルティネス投手が残留することが決定的となったと伝えている。「残留」を「残竜」と表現するのがたまりません。こういうのがいいんだよなぁ。
V逸のデイリーと歓喜のサンケイが意外と冷静
続いて「デイリースポーツ」の一面。
『夢散ヤ優勝 矢野 CSでやり返すしかない』
2位に最大7ゲーム差をつけながら優勝ならず。タイガース推しのデイリーなので当然の「叫び」だ。翌日(10月28日)からV逸の原因を探る特集が始まった。第1回は阪神とヤクルトの差は「マネジメント力」。阪神の主力選手が不調の時期が長かったことを始めとして、シーズンを通してのヤクルト高津監督とのマネジメント力の差が出たと指摘していた。
ではお待たせしました、スワローズと縁が深い「サンケイスポーツ」はどう伝えたか。