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「率直に言って、臆病だ」「理解し難い采配」豪州人記者は森保監督の手腕に疑問符…一方、豪代表の強みは“優秀なスタッフ陣” 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2021/10/11 17:00

「率直に言って、臆病だ」「理解し難い采配」豪州人記者は森保監督の手腕に疑問符…一方、豪代表の強みは“優秀なスタッフ陣”<Number Web> photograph by AFLO

次戦の結果次第で解任が噂される森保監督。豪州人記者も「アジア随一の選手たちの能力が生かされていない」と手厳しい

結果が出なければ“ジャパンズウェイ”から再考を

 日本サッカー協会が掲げる“ジャパンズウェイ”とは、一体、何を意味するのか──。森保監督が誠実な好人物であることは、論を俟たない。周囲に気を配り、軋轢を好まず、和を尊ぶ。その意味では、実に日本的な人材だと言える。

 でもそれは時に行き過ぎに映り、チームの可能性を狭めていると思えることがある。代表監督の仕事が、代表チームを最大限に強化することにあるのだとすれば、必要な時には各所との摩擦を省みず、自分と馴染まない選手の能力を試してみてもいいのではないか。例えば、大迫勇也に衰えが見られるなか、昨季ベルギーで17得点を挙げた鈴木優磨を一切呼ばない理由はどこにあるのか。

 また優しげなこの指揮官が、勝負事に長けているかといえば、そうと感じられないことが多い。東京五輪でも、W杯予選でも、明らかな格下には選手のひらめきに依存した手法で問題点を覆い隠せたが、同等以上の相手にはほとんど好結果を残せていない。なぜかシステムはずっと凝り固まり、劣勢を覆すような采配は一度たりとも披露してくれない。

 もうすでに監督交代への根拠は揃ったようにも思えるが、それでもやはり善人の「ポイチさん」はなかなか憎めないので、この期に及んで希望を抱いてみたい。

 10月12日の埼玉スタジアムで、森保監督と日本代表が突如として人々を納得させる英断やパフォーマンスを見せてくれる。具体的には、勇敢で攻撃的な姿勢や、理に適った手際の良い選手交代など。もう思い切り開き直って、びっくりするくらいポジティブにやるしかない。選手をもっと信頼して、3バックとか、2トップとか、1ボランチとか、絶対に試すべきだ。そんな願いに近い望みを、あらためて持ってみたい。

 世界記録を保持するサッカールーズ、恐れるに足らず──。2021年のサムライたちよ、ここですべてを解き放ち、気持ちよく勝利を掴めば、まだまだ明日は自らの手中にある。ダメだったら、“ジャパンズウェイ”から、あらためて考え直したほうがいい。

 楽しみなキックオフの笛は火曜日午後7時すぎ、埼玉の夜空に鳴る。

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