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《バレーボール》なぜ男女で明暗が分かれた? 元代表・狩野舞子が語る「選択肢の多さ」と「気迫」男子はブラジル撃破なるか
text by
狩野舞子Maiko Kano
photograph byAFLO SPORT
posted2021/08/03 11:04
初戦で負ったケガを押しながら出場した古賀紗理那らの奮闘も目立ったが、女子代表は予選リーグで敗退となった
また、今大会のプレビューでも触れた「ミドルブロッカー4人」の選出にも触れておきたいです。
当初は少し疑問も浮かびましたが、逆にどんな起用法があるのか楽しみでもありました。ただ、実際は荒木選手と島村春世選手が好調だったことを差し引いても、奥村麻依選手も山田二千華選手がリリーフブロッカーとして起用される場面すらありませんでした。
もちろん、古賀選手の負傷で思うような戦いができなかったことはあるでしょう。でもなぜミドルブロッカーを増やしたのか、という狙いを掴み取ることはできませんでした。この5年間の集大成を発揮できなかった、それが悔しいはずです。
この敗戦をどう生かしていくか
これまで、多くの方からこう言われ続けてたと思います。
「女子バレーは強いけど、男子バレーはすぐ負けるよね」
私も“過程”の苦しさを経験しているのでよくわかります。選手は常に一生懸命プレーし、それでも結果につながらない時もある。でも、周囲が見るのは「結果」です。このオリンピックの敗戦を受け、これから女子バレーがどれだけ注目してもらえるのか。
注目してもらえることは当たり前ではない。さらに開催国として出場できた東京大会とは異なり、3年後のパリ五輪に出場するためには予選を勝ち上がらないといけない。厳しい戦いが待っていることを考えると、選手たちは今以上に危機感を覚えていかなければならないでしょう。
ただ、残念だった、で終わらせる人は誰一人いないはずです。これだけの悔しさを経験した彼女たちが、次にどう生かしていくか。「女子バレーは……」と思われないように、必死で頑張っていくしかない。問われるのは、これからです。私も含めて、今後バレー界の課題として向き合っていかなければならないと思います。
(構成/田中夕子)
【前回の記事を読む】狩野舞子が感じるバレー女子代表の“もどかしさ”、次は日韓戦「何が何でも勝つ」という気迫を(NumberWeb以外でご覧の方は下段の関連コラムより)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。