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《バレーボール》なぜ男女で明暗が分かれた? 元代表・狩野舞子が語る「選択肢の多さ」と「気迫」男子はブラジル撃破なるか
posted2021/08/03 11:04
text by
狩野舞子Maiko Kano
photograph by
AFLO SPORT
男子は劇的な勝利で29年ぶりの決勝トーナメント進出。一方、女子は最終戦を勝ち切れず、予選リーグ敗退。男女ともに予選リーグ最終戦は「勝たなければ終わり」という一戦を迎えましたが、なぜ明暗が分かれる結果となったのでしょうか。
<男子予選リーグ成績>
1)ベネズエラ戦 3-0○
2)カナダ戦 3-1○
3)イタリア戦 1-3●
4)ポーランド戦 0-3●
5)イラン戦 3-2○
<女子予選リーグ成績>
1)ケニア戦 3-0○
2)セルビア戦 0-3●
3)ブラジル戦 0-3●
4)韓国戦 2-3●
5)ドミニカ共和国戦 1-3●
まず、男子に関して言えば、常に攻撃の選択肢が豊富だったことが挙げられます。強力なミドルブロッカーを擁し、1人1人のブロック力で勝るイランに対しても、日本の攻撃が効果的に決まっていましたよね。
その背景にあるのは、高橋藍選手のサーブレシーブです。その前のポーランド戦も含め、相手のサーブが徹底して高橋選手を狙ってくる中、崩れず、必死で食らいついていた。自分のやるべき役割を理解し、チームのために、という献身的な姿勢が素晴らしかった。
そして高橋選手の上げたレシーブを、セッター関田誠大選手が偏らせることなくさまざまな展開につなげていました。ラリー中もアウトサイドヒッターだけでなくミドルブロッカーを使い、レフトに集めたかと思えば、オポジットの西田有志選手を優位な状況で選ぶ。攻撃陣も全員が常に助走へ入り、準備をしていたことで、ポーランドやイランといった鉄壁のブロック、ディフェンスを誇るチームに対しても気持ちよく攻撃することができたと思います。