ラグビーPRESSBACK NUMBER
「本当に必要な選手は誰か」東京五輪ラグビー男女セブンズ選考に感じる難しさ…“ベテランごっそり落選”の意図とは?
posted2021/07/02 17:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
NobuHiko Otomo
五輪のセレクションは難しいんだな。
6月30日、女子セブンズ日本代表ハレ・マキリHCのオンライン合同インタビューを聞きながら、そう思った。
その11日前、マキリHCは東京五輪内定メンバー12人とバックアップメンバー4人を発表していた。多くのファンや関係者が驚いたのは、日本女子セブンズの大黒柱としてこの10年間を牽引してきた中村知春(ナナイロ プリズム福岡)が落選していたことだった。
リオ五輪でも主将を務め、ピッチの中でも外でもメッセージを発信し、若い選手たちをリードしてきた大黒柱の名前は、東京五輪の内定選手12人にも、バックアップメンバー4人にも入っていなかった。
19日の五輪内定選手発表オンライン会見でそのことを問われたハレ・マキリHCは「彼女は長年にわたって日本の女子セブンズを支えてきた。そこへのリスペクトを持ってセレクションを行った」とだけ答えた。落選の理由については何も語られなかった。
中村と大黒田の招集、その理由は?
だが30日、日本ラグビー協会は東京五輪セブンズ日本代表のバックアップメンバーに、中村と、やはりリオ五輪メンバーながら東京五輪メンバーリストから外れていた大黒田裕芽(名古屋レディース)の2人を加えると発表した。
これは、どういう位置づけなのだろうか。前週には、内定メンバーとバックアップメンバーあわせて16人が沖縄で合宿を行っていた。もしかしたらそこで負傷者が出て、練習台の選手が必要になったのだろうか? それを問うと、マキリHCは答えた。
「沖縄合宿を見て、バックアップメンバーに2人を加えることを決めました」
つまり、ケガ等による離脱選手がいたわけではなく、マキリHCはチームに2人が必要だと判断したのだ。バックアップメンバー4人と同列のところに2人は加わった。東京五輪を目指す女子セブンズ日本代表チームは、内定選手12人とバックアップ6人の計18人で準備を進めることになった。