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「本当に必要な選手は誰か」東京五輪ラグビー男女セブンズ選考に感じる難しさ…“ベテランごっそり落選”の意図とは?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuHiko Otomo
posted2021/07/02 17:00
東京五輪内定メンバー落選から一転、バックアップメンバーに加わった中村知春
今年6月19日の発表会見で、本城和彦・男女セブンズナショナルチームディレクターは「ケガなどがなければこの12人で行きます」と明言した。だが、練習でのパフォーマンスが悪ければ、それは「など」の対象になるかもしれない。良くなかった、と言われれば選手の立場で言い返すことはできないだろう。それまでだ。
選手に、セレクションの不安をいつまでも持たせるのは酷かもしれない。だが、HCの立場でいえば、選手の状態を見て心が動いてしまうのかもしれない。五輪という大きすぎる大会の前では、選手もHCも、平常心でいられなくなってもおかしくないのだろう。
何しろラグビーは、前回のリオで初めて五輪種目に採用されたばかり。選手も指導者も五輪の経験は浅い。
ともあれ、中村知春と大黒田裕芽はバックアップメンバーとして、6月30日に始まった女子セブンズ日本代表の熊谷合宿に招集された。熊谷合宿は6日まで行われ、7日からは北海道・定山渓に場所を移し、再び熊谷に戻って直前合宿を行い、29日からの五輪本番に備える。女子に先立ち7月5日まで北海道・定山渓で行われた男子の合宿には代表12人、バックアップメンバー4人の他に、練習試合の相手として25人もの選手が招集された。そこには五輪本番の代表から外れ、失意に暮れただろう坂井克行、小澤大、林大成の名もあった。7月11日に府中市で再集合し、26日からの五輪本番に備える。
本番の舞台は東京スタジアム。7月26日から始まる男子はフィジー・英国・カナダと、29日から始まる女子はオーストラリア・米国・中国と同組で戦い、メダル獲得を目指す。ピッチに立つのはそれぞれ12人。その顔ぶれは、まだ分からない気がする。