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「本当に必要な選手は誰か」東京五輪ラグビー男女セブンズ選考に感じる難しさ…“ベテランごっそり落選”の意図とは?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuHiko Otomo
posted2021/07/02 17:00
東京五輪内定メンバー落選から一転、バックアップメンバーに加わった中村知春
沖縄合宿はメディアにも一般にも公開されなかった。それどころか、昨年11月以降、女子セブンズ日本代表候補の練習は一度も公開されていない。だから、その練習がどんな様子だったかは想像するしかない。
だが、五輪スコッドが決まったあとの合宿はおそらく、難しかったのだろうなと想像する。それは、6月21日に公開された男子セブンズ内定選手とバックアップメンバーの練習を見たからだ。
その日の練習は、ちょっと失礼な言い方になるが、明らかに緩かった。長い合宿の最終日であり、前日までハードな試合形式の練習が繰り返されていたというし、練習は常に激しく行わなければならないものでもない。それは理解しているが、それにしても緩い。エディー・ジョーンズだったら練習をやめさせていたかもしれないと思った。
記者が見ていた限り、その日の練習、特に試合形式の練習でオーラが出ていたのは、リオ五輪代表ながら内定選手12人から漏れ、バックアップメンバーという肩書きで合宿に参加していた合谷和弘(クボタ)だけだった。
男子セブンズ日本代表の岩渕健輔HCは、リオ五輪代表で、セブンズ日本代表歴代最多キャップを持つ「ミスターセブンズ」坂井克行(豊田自動織機)をはじめ、小澤大(トヨタ自動車)、林大成(日本協会)といった経験豊富なベテランをごっそり外し、東京五輪には若返った布陣で臨む姿勢を表明したばかりだったのだが、若いチームは、五輪代表に選ばれた重みを受け止める厳しい空気を発してはいなかった。
それに失望したわけではない。むしろ、五輪代表とはそうなりがちなのだ……と教えられた気がした。その思いは、中村知春と大黒田裕芽の追加招集の知らせを聞いて、より明確になった。