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【独占】クロップ監督インタビュー「数年前に比べて、ゲーゲンプレッシングの強度が…」名将が感じる“2021年の戦術最先端” 

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アレクシス・メヌーゲ

アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge

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posted2021/06/21 11:03

【独占】クロップ監督インタビュー「数年前に比べて、ゲーゲンプレッシングの強度が…」名将が感じる“2021年の戦術最先端”<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

独占インタビューに応じてくれたクロップ監督。名将の目に2021年のサッカー界はどのように映っているのか

クロップ「トーマスが1月にチェルシーの監督になったとき、チェルシーの問題は失点の多さだった。彼はすぐに何をすべきか気づいたのだろう。

 新しいシステムで守備を安定させ、ボールに対してどう守るかの約束事を整え、簡単には失点しない厄介なチームを作り上げた。その守備力がチェルシーにCL優勝をもたらした。来季も彼が率いるチェルシーと対戦するのがとても楽しみだ」

クロップは現代の戦術トレンドをどう見ているか

――あなたは戦術家としても知られています。現代サッカーにおける戦術のトレンドをどう見ていますか?

クロップ「リバプールが4バックでプレーしているように、ヨーロッパでは4バックを採用しているチームの方がまだ多いと思う。ただ、トーマスが率いるチェルシーや、現在EUROに出場しているドイツ代表のように、3バックを採用するチームがかなり増えてきている。その傾向が加速していくのではないか。

 また、通常のプレッシングとゲーゲンプレッシング(ボールを失ったときに素早く奪い返そうとする切り替え時のプレッシング)の重要性がさらに増して行くだろう。ボールを奪った瞬間というのは、ゴールできる確率が高い『贈り物』の瞬間だからだ。RBライプツィヒやドルトムントのような、ボールを奪ってから数秒以内に相手ゴールに迫ろうとする戦術が、さらに一般的になっていくだろう」

ゲーゲンプレッシングの強度がさらに上がっている

――ゲーゲンプレッシングはあなたがリバプールで実践し、世界的に広まったドイツ語の戦術用語ですね。英語ではカウンタープレッシングと訳されています。

クロップ「最初はドイツで流行し、今やヨーロッパ中に広まったと言っていいだろう。数年前に比べて、最近はゲーゲンプレッシングの強度がさらに上がっている印象を受けている。ボールを失ったときにグループとしてどう動くかにこだわるチームが増えている。

 ヨーロッパではほぼすべてのクラブが、ゲーゲンプレッシングの要素を取り入れた練習をしているはずだ。選手は消耗するが、現代サッカーで成功するうえで絶対に欠かせない要素になっている」

後編(南野・香川への印象なども)に続く。関連記事からもご覧になれます>

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