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【独占】クロップ監督インタビュー「数年前に比べて、ゲーゲンプレッシングの強度が…」名将が感じる“2021年の戦術最先端”
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アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byREUTERS/AFLO
posted2021/06/21 11:03

独占インタビューに応じてくれたクロップ監督。名将の目に2021年のサッカー界はどのように映っているのか
クロップ「ビルヒルは選手として突出しているだけでなく、リーダーとしても特別な選手なんだ。ピッチ内では味方に指示を出し、ピッチ外では必要と感じたらすぐに発言し、チーム内で何か摩擦が生まれたらすぐに収めてくれる。ロッカールームにいるだけで、空気が引き締まるような人物だ。彼はキャプテンマークを必要としない、生まれながらのリーダーなんだ。
彼が10月に膝を負傷すると、チームのパフォーマンスが不安定になった。ピッチ内外で影響は計り知れなかった。新シーズンは彼と共にスタートできることが嬉しい」
――フィルミーノの得点力不足も槍玉にあげられました。サラー、マネ、フィルミーノは世界トップクラスの3トップだけに、代案を見つけるのが難しい?
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クロップ「当然簡単ではない。このトリオは3年以上にわたって共にプレーし、オートマティズムができあがっているからだ。互いに見なくてもどこにいるかわかるような関係になっており、彼らは一緒にプレーすることを楽しんでいる。監督として、日々練習でそれを目にしている。
もちろんクラブの継続的な成功のために、いつかトリオは解消され、新たな選手に置き換えられるだろう。だが現時点では、その瞬間が来るのを想像するのはとてもつらいことだ。彼らとは素晴らしい瞬間を共にしてきたのだからね」
ペップは再びシティを精密機械のようにした
――昨季は再びマンチェスター・シティがリーグを制しました。ペップ・グアルディオラが率いるシティをどう見ていましたか?
クロップ「19-20シーズンに私たちがリーグ王者になった後、ペップは再びシティを精密機械のようなチームに変貌させた。弱点がほとんど見当たらず、ハングリー精神に溢れ、どんな相手だろうができるだけ多くの点を取ろうとする。
このメンタリティー、姿勢は彼らにとって大きな武器だった。優勝に値するチームだったと思う」
――CLではトーマス・トゥヘル率いるチェルシーが、そのシティに勝って優勝しました。トゥヘルはあなたと同じくマインツとドルトムントで結果を出して出世した、いわば後輩ですね。