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日本代表「前半に苦戦したのはなぜ」「猛アピールに成功した選手は?」セルビア戦で注目すべき“4つのポイント”
posted2021/06/12 11:03
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
これがワールドカップのグループステージだとしたら、1対0の勝利はひとまず評価されるだろう。そのうえで、得失点差を考えると2点目、3点目を奪えなかったことに物足りなさが残ったはずだ。
主力がいないセルビア「何が注目ポイントだったのか?」
6月11日に行なわれたセルビア戦は、18年のロシアW杯以来となるヨーロッパ勢との対戦だった。ピクシーことドラガン・ストイコビッチ監督が率いる東欧からの来訪者は、最新のFIFAランキングが25位だ。28位の日本にとっては格上ということになるが、今回のメンバーにはアレクサンダル・ミトロビッチ、ドゥサン・タディッチ、フィリップ・コスティッチ、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチらが含まれていない。さらに20ー21シーズンのセリエAで21得点を記録した21歳の俊英ドゥシャン・ブラホビッチも、来日していないのだ。
セルビアは7日のジャマイカ戦を1対1のドローで終えており、2試合連続で勝利を逃すこととなった。しかし、ピクシーは「2試合とも結果は重視していない。今回のチームはAチームだが、Bチームのメンバーも入っている」と話した。表情に悔しさはにじんでいなかったから、負け惜しみなどではないのだろう。「今回は招集できなかった中心選手がいたら、日本戦はおそらく違う結果になっていた」との見立ても、決して強がりではない。1トップのミラン・マカリッチは日本戦が国際Aマッチ出場3試合目で、2シャドーのデヤン・ヨベリッチとネマニャ・ヨビッチは同2試合目だった。
日本も主力を欠いている。吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航がU-24日本代表にオーバーエイジとして合流しており、冨安健洋も東京五輪を控えるチームへ合流した(その後ケガで離脱)。さらに攻撃の軸となる大迫勇也が、9日にケガでチームを離れた。
5人のレギュラー抜きで戦うだけに、代わって出場する選手のパフォーマンスがセルビア戦の論点である。7日のタジキスタン戦も同じように5人を欠いていたが、それでも余裕を持って勝利できる相手だった。レギュラー不在のポジションに誰が起用され、タジキスタンより手強いセルビアを攻略できるのか、に注目が集まった。
〈前半〉主導権があっても攻略できなかったのはなぜ?
森保一監督が選んだ先発は、6月3日のU-24日本代表戦を軸としたものだった。GKに権田修一が起用され、2列目に原口元気ではなく伊東純也が入り、大迫不在の1トップを古橋亨梧が務めたのが、札幌での兄弟対決との違いである。