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日本代表「前半に苦戦したのはなぜ」「猛アピールに成功した選手は?」セルビア戦で注目すべき“4つのポイント”
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/06/12 11:03
植田直通とともに球際に激しいセルビアの攻撃陣にスキを見せず、クリーンシートを達成した谷口彰悟
セルビア戦に限ったことではないのだが、もっと早くシュートを打っていい。シュートを次の仕掛けの布石とすれば、もっと楽に相手守備陣を崩せる。
決定機を生かし切れない場面も目につく。この試合なら88分だ。植田の浮き球のパスを受けて、途中出場の浅野拓磨が右サイドから抜け出す。ペナルティエリア内でGKと1対1になったが、右足のシュートはブロックされてしまうのだ。
W杯2次予選の終盤は大勝の連続となっているが、来る最終予選ではロースコアの攻防が予想される。アウェイゲームでは押し込まれることもある。ワンチャンスに勝機を見出す試合はあり、勝ち癖ならぬ“決め癖”をつけていかなければ、最終予選はもちろんW杯のグループステージでも自分たちを追い詰めることになる。
「W杯ベスト8」というチームの目標から逆算すれば、セルビア戦は少なくとも2対0にしなければならない試合だった。決めるべきところで決め、相手から闘争心や希望を奪い取り、勝利を揺るぎないものとするのだ。
〈収穫〉“チームの底上げ”を印象づけた選手たち
チームの底上げという意味では、谷口の名前をあげたい。植田とともに球際に激しいセルビアの攻撃陣にスキを見せず、クリーンシートを達成したのはプラス材料だ。
国際Aマッチデビュー戦初ゴールを逃したオナイウは、時間の経過に伴う相手守備陣の消耗を差し引いても、攻撃の起点を作ることができていた。鎌田や南野とのコンビネーションも悪くない。15日のキルギス戦は先発で使ってみたい選手だ。
どちらも主力を欠いたなかで、セルビアに勝ったのは評価できる。チームの底上げにつながるアピールもあった。
次のキルギス戦では、7日のタジキスタン戦の先発メンバーが多く起用されるだろう。最終予選前の最後のアピールの機会で、今度は誰が存在感を示すのか。W杯2次予選突破は決まっても、消化試合ではない。