甲子園の風BACK NUMBER
【センバツ】寮長や元コーチャーが本塁打、昨秋ベンチ外→甲子園で好投… “背番号2ケタ”と“控え”が大活躍のワケ
posted2021/03/28 17:04
text by
間淳Jun Aida
photograph by
KYODO
センバツ高校野球はベスト8の顔ぶれが決まった。長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年は春のセンバツも夏の甲子園も中止。今大会も選手を後押しするブラスバンドは録音、観客は1万人までと制限はあるが、一昨年夏以来、約1年7カ月ぶりに聖地に熱気が戻っている。
今大会で目を引くのが、2ケタの背番号をつけた選手の活躍だ。
24日の聖カタリナ学園との初戦で、大会第1号を放った東海大菅生の鈴木悠平は背番号「17」。25日の専大松戸戦で、7回にランニングホームランで均衡を破った中京大中京の櫛田理貴は「15」。26日の市立和歌山戦で先制ソロを右中間スタンドに運んだ明豊の米田友は背番号「5」をつけているが、昨秋は控え選手だった。
ここまで24試合で生まれた本塁打は計6本。センバツ切符をかけた約5カ月前の地区大会はレギュラーではなかった選手による本塁打が、半分を占めていることになる。
東海大相模で目立つ背番号2ケタの投手たち
投手では東海大相模で2ケタを背負う選手が強烈な印象を残している。
初戦の東海大甲府戦に先発したのは背番号「18」の石川永稀。関東大会で敗れた相手を8回1失点に封じ、チームを勝利に導いた。2回戦の鳥取城北戦の先発を託されたのは背番号「10」の求航太郎で、この日が公式戦初登板だった。一方の鳥取城北も先発したのは背番号「11」の山内龍亜。昨秋の大会は2イニングしか登板していないが、甲子園の大舞台で優勝候補の一角を相手に、9回途中1失点(自責0)と好投した。
短期間で急速に成長する可能性を秘めている高校球児。それでも、これだけ多くの新しい力が台頭するのは異例といえる。準々決勝に進んだ指揮官の言葉を聞くと共通点が見えてくる。