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【箱根駅伝】國學院大がライバル帝京大に「勝ってください」と告げたワケ 両校の“因縁”はなぜ始まった?
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph byYuki Suenaga
posted2021/01/22 11:02
帝京大・山根昂希と國學院大・木付琳はそれぞれ8位と9位でゴールテープを切り、昨年に続いて連続する順位となった
「嫌な縁だよね、間違いなく(笑)」
思い返せば1年前も、両校は10区で、やはり4校による3位争いを展開していた。この時は國學院大が勝利し3位と大躍進を果たしている。帝京大は過去最高順位タイながら、3度目の4位と悔しい思いを味わった。
「これも何かの縁だなと思います」とは前田。その言葉を中野に伝えると、「嫌な縁だよね、間違いなく(笑)」と中野は苦笑する。
実際に、この両校には浅からぬ縁がある。まず、中野と前田は監督に就任してからの歩みが似ているのだ。
帝京大・中野と國學院大・前田の共通点
中野が帝京大駅伝競走部の監督に就いたのは2005年11月のこと。就任して初めて挑んだ箱根駅伝予選会は12位で敗退したが、2回目の予選会は2位に入り、3年ぶりの箱根路復帰を果たした。そして本戦では8位に食い込み、いきなりシード権を獲得してみせたのだ。
一方の前田は2009年8月にコーチから監督に昇格。その2カ月後の箱根予選会は15位と、中野と同様に初年度は本戦に進めなかった。ところが翌年は2位で通過し、本大会ではアンカーの寺田夏生(当時1年、現JR東日本)がコースアウトしながらも10位に入り、初のシード権を獲得した。
中野、前田ともに、就任初年度では苦杯を喫しながらも監督2年目に躍進を果たしているのだ。