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【最新序列】南野拓実はBランク…リバプール定位置争いでの強みと弱点 ライバルはサラー&マネに“あの新顔”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images/Sports Graphic Number
posted2020/12/26 17:03
プレミア初ゴールを決めた南野拓実だが、最適ポジションと見られる“プランB”の4-2-3-1のトップ下でもライバルは多い
南野は、日本代表でもトップ下を務める試合が多い。オフザボールからの前線への飛び出しや、積極的なプレスといった長所を考えても、リバプールで最も特性を生かせるポジションと言えよう。
特に、CFにフィルミーノが入った場合はメリットが大きい。周囲を生かす技術に秀でるブラジル代表FWと「縦の関係」を構築できれば、南野の飛び出しがさらに生きてくる。広い視野とパス展開力に優れるチアゴが後方のセントラルMFに入れば、南野のフリーランの危険度は倍増するに違いない。
南野は唯一CF、WG、中盤すべてでプレーした
こうしてまとめてみると、リバプールの選手層が極めて分厚いことに改めて気がつく。各ポジションにワールドクラスを揃え、戦力の穴はまったく見当たらない。わずか1年の間にCL、クラブW杯、プレミアの3大主要タイトルを総ナメにしただけのことはあるだろう。
現時点で、南野の序列は各ポジションで「Bランク」にある。故障で離脱中の選手が復帰してくれば、再びベンチに入れるか、入れないかの当落線上に置かれるはずだ。
その一方で、日本代表は今季の試合でCFとウイング、インサイドハーフのすべてのポジションでプレーした唯一の選手でもある。こうしたポリバレントな能力は南野の特性であり、リバプールで生き残っていくための大きな武器となるだろう。
特に今シーズンはコロナ禍で過密スケジュールが続き、筋肉系の故障者が続出している。たとえBランクであっても、今後も出場機会は必ずまわってくるだろう。また、クロップ監督はトレーニングから選手たちの動きを非常によく見ている。実際、クリスタルパレス戦後には「タキは今、なにより調子がいい。中盤、前線のどこであっても起用したかった」とし、好調の南野をどうしても起用したかったと明かした。
練習から鋭い動きを見せていけば、クロップも序列を飛び越えて日本代表アタッカーを抜擢するはずである。
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