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【プレミア初得点】「タキ、とにかく楽しめ」南野拓実を見捨てず…名将クロップの愛情が熱すぎる
posted2020/12/21 11:40
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
REUTERS/AFLO
その瞬間は、試合開始直後の前半3分に訪れた。
セネガル代表FWサディオ・マネからパスが入ると、南野拓実は敵がブロックに飛び込んできたのを察知。キックフェイントで冷静に間合いを外し、ゴール隅に豪快に蹴り込んだ。得点後、コーナー付近まで走り込んで歓喜の雄叫びを上げると、あとを追ってきたチームメートにもみくちゃにされた。待望の「プレミア初ゴール」が生まれた瞬間だ。
現役時代には名うてのテクニシャンとして知られた、元トッテナムのグレン・ホドルも思わず舌を巻いた。
「シュートを打とうとした瞬間、マーカーがタックルを仕掛けてきた。だが、南野はフェイントを入れ、スペースを上手につくった。このファーストタッチがよかった。素晴らしいフィニッシュだ」
日本代表FWの先制点で勢いがついたリバプールは、ここから怒涛のゴールラッシュ。7ゴールを奪い、難敵クリスタルパレスを大差で粉砕した。
左FWとしてハーフスペースを有効活用
得点シーン以外でも、現地時間19日のクリスタルパレス戦で南野は光り輝いた。4-3-3の左FWとして先発すると、攻守両面で貢献。攻撃時はサイドから中央寄りにポジションを移し、相手SBとCBのちょうど中間のエリア、つまりハーフスペースでパスを巧みに受けた。
そして、相手ディフェンスに守備の綻びを見つけると、フリーランで積極的にスペースを突いた。後半14分にはダイアゴナルランでナビ・ケイタのラストパスを引き出し決定機につなげたが、シュートはわずかに枠をそれた。この場面と同じように、左サイドからゴール前の中央部にスライドする仕掛けを何度も見せ、クリスタルパレス守備陣を大いに混乱させた。
ディフェンス面でも、強度の高いプレスでチームを支えた。