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【最新序列】南野拓実はBランク…リバプール定位置争いでの強みと弱点 ライバルはサラー&マネに“あの新顔”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images/Sports Graphic Number
posted2020/12/26 17:03
プレミア初ゴールを決めた南野拓実だが、最適ポジションと見られる“プランB”の4-2-3-1のトップ下でもライバルは多い
昨季はワイナルドゥムとヘンダーソンがインサイドハーフのレギュラーを務め、その後方のアンカーにファビーニョを入れるのが基本形だった。ここに、夏の移籍市場でスペイン代表MFのチアゴ・アルカンタラが加わった。
シーズン序盤に負った怪我でまだ出場機会は少ないが、視野の広い展開力と正確なパスワークは大きな魅力である。ワイナルドゥムとヘンダーソン、チアゴをレギュラークラスのSランクとした。
「執拗なチェイスとネガトラの速さ」で活性化
南野は、ここから2つ下のBランクに入れた。同位置で初めて先発起用されたのは11月28日に行われたPL第10節のブライトン戦。本職でないせいか、この試合では消極的なプレーが目立ったが、再度起用されたPL第12節のフルアム戦では攻守に奮闘し、「積極的な攻めの姿勢」と「アグレッシブな守備」で劣勢だった試合の流れを大きく変えた。
特に目立ったのが、「執拗なチェイス」と「攻→守のネガティブトランジション(切り替え)の速さ」。南野の精力的なランで、チーム全体が活性化した。
中盤での起用といっても、攻撃の流れの中で前線に顔を出していけば、チャンスに絡むことはできる。さらに、得意のフリーランやターンなどで局面打開ができれば、一気にゴールに近づける。インサイドハーフには、自軍サイドバックの攻撃参加時に後方部をカバーするという守備タスクによる制限があるが、積極的な攻めの姿勢を忘れなければ、南野の持つ攻撃特性は生かされるだろう。
“プランB”4-2-3-1のトップ下は?
<戦術オプションの4-2-3-1 トップ下(1枠)>
Sランク フィルミーノ、ジョタ
Aランク シャキリ
Bランク 南野、オクスレイド・チェンバレン、ジョーンズ
Cランク 該当なし
今季開幕前のプレシーズンマッチから、クロップ監督は「プランB」、つまり4-2-3-1のテストを繰り返した。公式戦ではまだ実践回数は少ないが、試合展開や対戦相手のアプローチ次第では今後採用される試合は出てくるだろう。トップ下の主な仕事は、ゴールに近いポジションを取りながら、最終局面の崩しとフィニッシュに絡むことになる。