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【最新序列】南野拓実はBランク…リバプール定位置争いでの強みと弱点 ライバルはサラー&マネに“あの新顔”
posted2020/12/26 17:03
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images/Sports Graphic Number
日本代表FW南野拓実が、リバプールに加入して1年が経とうとしている。
在籍2季目となった今シーズンは、国内リーグ戦14節まで8試合に出場し(そのうち先発は2試合)、得点は今月19日に行われたクリスタルパレス戦の1ゴール。チャンピオンズリーグとリーグ杯、コミュニティーシールドを合わせた通算記録では、23試合で15試合に出場し(先発は6試合)、得点は4ゴールだ。途中出場を含めて公式戦の約65%で出番があり、先発は全体の約26%にとどまった。
クリスタルパレス戦では華麗なキックフェイントから先制点を決め、特大のインパクトを放った。
ユルゲン・クロップ監督が「タキ(南野の愛称)は最高の試合をした」と褒めるなどアピールに成功したが、シーズン前半戦の序列はあくまでもバックアッパーだった。起用ポジションも、CF、左右のウイング、インサイドハーフと非常に流動的で、さまざまな役割をこなした。
そこで、起用ポジションごとに南野の序列を考察し、プレーやユルゲン・クロップ監督の考え、今後の可能性をまとめてみた。
クロップがまず組み込もうとした“偽9番”
<CF(1枠)>
Sランク フィルミーノ
Aランク ジョタ
Bランク 南野
Cランク オリジ
クロップ監督は、加入したばかりの南野をまずこのCFに組み込もうとした。基本フォーメーションは4-3-3。ゴールが強く求められる通常のCFとは異なり、リバプールでは実に多くのタスクが要求される。
そのひとつが“偽9番”として中盤まで降下し、攻撃の組み立てにも参加すること。最終局面で得点に絡むことも大事だが、インサイドハーフと連係しながら、ウインガーのモハメド・サラーとサディオ・マネにスルーパスを供給するのも重要な務めとなる。わかりやすく言えば、チャンスメークも仕事のひとつだ。
このCFで、絶対的エースの座にいるのがロベルト・フィルミーノである。
サラー、マネと息のあったコンビネーションを築き、ワンタッチパスで彼らのゴールをお膳立てしている。体幹が強い上にキープ力に優れており、中盤でマーカーを背負った状態から前を向き、局面打開を図るプレーも得意とする。