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【最新序列】南野拓実はBランク…リバプール定位置争いでの強みと弱点 ライバルはサラー&マネに“あの新顔”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images/Sports Graphic Number
posted2020/12/26 17:03
プレミア初ゴールを決めた南野拓実だが、最適ポジションと見られる“プランB”の4-2-3-1のトップ下でもライバルは多い
南野は当初、CFで控えの1番手につけていたが、序列を上げてきたのが今夏の移籍市場で加わったポルトガル代表FWのディオゴ・ジョタだ。
前所属のウォルバーハンプトンでは2トップの一角を務めることもあったが、本職はウインガーである。ところが、CLグループステージ第3節のアタランタ戦(11月3日)でCFとして先発すると、足元の技術を使って味方を生かし、自慢のスピードで決定機も量産した。この試合で、ジョタはハットトリックを達成。クロップの求めるCFのタスクをこなしながら、随所に自身の持ち味を出し、CFで機能できることを証明した。
現地記者が語る南野の特徴と“弱み”
現状、南野の序列はジョタのひとつ下のBランクだろう。日本代表アタッカーがフル出場したリーグ杯3回戦のリンカーン戦後(9月24日)、ドイツ人指揮官は「プレスやカウンタープレスで、タキはチーム全体のリズムを作ってくれた」と、守備の出来を高く評価した。攻守の切り替えが速く、激しく敵に体を寄せてボールを奪うディフェンスは、まさに南野の持ち味だ。
だが、CL第2節のミッティラン戦(10月27日)では敵の激しいプレスに苦しみ、不用意な形でボールを失う場面が多かった。CFがボールをしっかり収められないと、チームとしても苦戦する傾向がある。事実、南野は後半15分に交代を命じられた。
英紙サンデー・タイムズでサッカー部門の主筆を務めるジョナサン・ノースクロフト記者は「南野は、動きながらワンタッチやターンで打開するタイプ。その分、フィジカルはさほど強くない。マーカーが激しく潰しに来るCFでは持ち味を生かせない」とCFでの問題点を指摘している。
左右ウイングに君臨するマネ&サラー
<左右ウイング(2枠)>
Sランク サラー、マネ
Aランク ジョタ
Bランク オクスレイド・チェンバレン、南野、シャキリ
Cランク オリジ
南野は左右のウイングで起用されることも多い。ただ、この位置ではサラー、マネというワールドクラスが君臨する。
2年前の欧州制覇、昨シーズンの国内制覇に大きく貢献し、両者は絶対的な立ち位置を築いている。また、驚異的なスピードでスペースに飛び出し、そのままネットを揺らせるのは、新戦力のジョタも一緒だ。大きく分類すれば、この3人は同タイプのプレーヤーで、序列でも上位につける。