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「善戦カルデナスの戦い方がハマった理由」は井上尚弥側にあった…元3階級王者が指摘する井上“今後の課題”「アフマダリエフとどう戦うか」

posted2025/05/11 11:10

 
「善戦カルデナスの戦い方がハマった理由」は井上尚弥側にあった…元3階級王者が指摘する井上“今後の課題”「アフマダリエフとどう戦うか」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

井上の「とにかく倒そう」というボクシングが今回のカルデナスにとっては良かった、と長谷川穂積さんは見た

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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Hiroaki Finito Yamaguchi

スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が5月4日(日本時間5日)、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで挑戦者のWBA1位ラモン・カルデナス(米)に8回45秒TKO勝ちした。まさかのダウンを喫した井上の今後の課題とは何か。元3階級制覇王者の長谷川穂積さんが解説する。〈全2回の2回目/はじめから読む

 井上のTKO勝ちに終わったラスベガス決戦だが、カルデナスが2回に井上からダウンを奪ったこともあり、「カルデナスが善戦した」という見方にそれほど異論は出ないだろう。熱戦を生み出した要因は井上の戦い方にあった。それが長谷川さんの見立てだ。

井上が攻めつづけた理由

「井上選手はとにかく倒そうというボクシングでした。これがカルデナスにとっては良かった。カルデナスは確かにいい挑戦者でした。パンチもあった。ただ、超一流かと言えばそうではないと感じました。すごく気合いが入っていて、持っている以上の力を出したとは思います。それでも打ち終わりの一発だけでしたからね。井上選手がずっと攻めてくれたからあのボクシングがはまったと思います」

 前編でも触れたように、井上は是が非でもラスベガスでエキサイティングなパフォーマンスを見せたかったのだ。

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「井上選手はボクシングしてポイントで勝とうと思ったらできたわけです。そうすれば予想通り楽勝だったと思います。日本でやっていたらもっとあっさり勝っていたとも思います。今回も実際にダウンした2回以外はポイントを取っています。それでも井上選手の中で、どうしても今回はアピールしなければならなかった。根っからのファイターでもありますし、そこのバランスは難しいところです」

井上に衰えはあるのか?

 試合後、井上の力の衰えを指摘する声が上がった。長谷川さんはこの点について、どのように考えているのだろうか。

【次ページ】 1試合で評価が変わるのがボクシング

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