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箱根駅伝が超ハイスピードに? 強豪校が警戒する「序盤から勝負する《中堅校》」とは【往路の波乱】
posted2020/12/17 11:03
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
JMPA
箱根駅伝2021の総合優勝争いは、選手層が厚い青学大、東海大、駒大、明大、早大、国学大、東洋大らが中心になってしのぎを削り合い、争うことになるだろう。
ただ、優勝を争うチームばかり見ていると、今季のレース展開における大事な点を見逃してしまう。そこで注目されるのが強力なカードを持ち、シード権狙いや往路優勝など何かしら爪痕を残そうとするチームだ。
総合優勝を狙う強豪校の監督たちは、戦々恐々としているかもしれない。
序盤から勝負してくる《中堅校》に要注意!
今年はコロナ禍の影響でトラックシーズンが消失し、各大学の力が見えない状況だった。
だが7月のホクレン・ディスタンスチャレンジからレースが本格的にスタートすると、千歳大会で1年生の吉居大和(中大)が5000mで13分28秒31を叩き出し、3000m障害で三浦龍司(順大)が日本歴代2位の8分19秒37で制し、ともにU20日本記録を更新した。これ以降、各大学などで開催された記録会では選手が次々と自己ベストを更新し、空前のPBラッシュになった。
全日本大学駅伝でも全8区間中、4区間で区間新がマークされた。
こうした流れのなか、今季の箱根駅伝では中堅校でも少しでも勝算を高めるために、選手を出し惜しみすることなく、序盤から勝負してくることが予想される。つまり、1区、2区にエースや留学生を投入してくる可能性が非常に高いのだ。
実際に、今季の全日本大学駅伝では、その戦術で成功したチームがある。
順大は、スピードとラストスパートが持ち味のスーパールーキー三浦を1区に立てた。三浦は、その期待に応え、区間新でトップを走り、最高の流れを作ってチームに勢いをつけた。結果、順天堂大は8位に入賞し、来年のシード権を獲得している。
順大の長門俊介監督はすでに1区に三浦を起用すると表明し、三浦本人も「ラストで抜ける」と自信を見せている。しかも、他の多くの大学がこの成功例を踏襲してくる可能性は高い。