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箱根駅伝が超ハイスピードに? 強豪校が警戒する「序盤から勝負する《中堅校》」とは【往路の波乱】 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2020/12/17 11:03

箱根駅伝が超ハイスピードに? 強豪校が警戒する「序盤から勝負する《中堅校》」とは【往路の波乱】<Number Web> photograph by JMPA

3000m障害では日本歴代2位となる8分19秒37、U20日本記録を持つ三浦龍司(順大)

 仮に吉居や昨年1区を駆けた青学大の吉田圭太(4年)、早大の中谷雄飛(3年)、国学大の藤木宏太(3年)らが今季も同区間を走ると、どうなるだろうか。牽制し合ってのスローペースというよりは、超ハイペースとなるに違いない。

 また、2区のエース区間には留学生が集まり、同様の展開になりそうだ。

 イェゴン・ヴィンセント(東京国際大)、ライモイ・ヴィンセント(国士舘大)、オニエゴ(山梨学院大)、ラジニ(拓大)らが走ることが予想され、ここに青学大、東海大、駒大、明大、早大、国学大、東洋大など強豪チームの2区の走者が絡んでくる。猛烈な競り合いが展開されれば、もしかすると昨季、圧巻の走りを見せた相澤晃(現旭化成)の区間記録(65分57秒)を塗り替えるくらいのハイレベルな戦いになるかもしれない。

序盤に勝負してくるチームを強豪が無視できない理由

 総合優勝を狙うチームにとって、スーパールーキーや留学生など試合の流れを変える強烈な「ジョーカー」の存在は非常に厄介だ。仮に彼らの独走を許してしまうと、後ろの区間で追いつかないといけないので、後続の選手に玉突きで肉体的にも心理的にも大きな負担がかかる。そうなると、彼らを容易には無視できない。

 昨季の東洋大は、まさに1区の出遅れが響いて自分たちの駅伝ができず、総合10位でのシード権獲得という非常に苦しい戦いを強いられた。そのため、最初からハイペースになることを想定して、それに対応できる選手を序盤に置くなど区間配置をより慎重に考える必要性が出てくる。

 一方、「ジョーカー」を持つチームは優勝を狙うチームに揺さぶりをかけ、予定の区間配置に何かしらの不安や乱れを生じさせて自分たちに有利に戦うことが可能になる。昨季の東国大は、2区、3区で上位を揺さぶり、見事に往路3位、総合5位という成績を残した。

 今回もそういう狙いのチームが出てくる可能性が高く、「往路の波乱」を呼び起こす一因に成りえるだろう。

【次ページ】 定石が覆される“2021箱根駅伝”のゆくえ

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