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乾貴士、武藤嘉紀らはなぜ呼ばれなかった? 森保ジャパン“メンバー固定化”で目指すものとは
posted2020/11/06 17:02
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
JFA
みなさん、こんにちは。
サッカー日本代表は10月のオランダ遠征に続いてオーストリア遠征(11月13日パナマ代表戦、17日メキシコ代表戦)を実施することになり、メンバー24人を発表しました。今回のメンバー選考の意味を私なりに読み取っていきたいと思います。
10月と同様、国内組に対してはJリーグの過密日程と帰国後の自主隔離があるために招集しない方針が事前に打ち出され、オール欧州組の編成となりました。東京五輪代表世代との融合を図るコンセプトも継続。その前提に立ったうえで選考には2つのパターンが想定されました。
森保監督は入れ替えを最小限にとどめた
1つは10月に招集しなかったメンバーを大量に呼ぶパターンです。
名前を出せば香川真司、乾貴士、武藤嘉紀、中島翔哉、森岡亮太ら呼ばれていない実力者は多くいます(東京五輪世代に目を移してもケガから復帰した安部裕葵やポルトガルに渡った食野亮太郎らタレントがまだまだいる)。
そういった選手たちを多めに招集して、10月の試合と合わせて評価の高い選手が来年3月から再開予定のカタールワールドカップアジア2次予選のメンバーに残っていくという考え方です。そしてもう1つは、入れ替えを最小限にとどめて戦うという考え方です。
森保一監督が選択したのは、後者のほうでした。
10月のメンバーから外れたのは大迫勇也ら少人数。新型コロナウイルス感染対策における国や地域のルールを遵守しなければならず、大迫に関しては「チームとしての制限が帰国後にある」(関塚隆ナショナルチームダイレクター)ことがネックになったようです。
前回はオランダの入国制限があって呼べなかった橋本拳人、浅野拓磨の2人を招集して、体調不良で辞退していた長友佑都が復帰しました。10月からのマイナーチェンジではありますが、当初から指揮官の想定にあったメンバー編成だと言えます。