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乾貴士、武藤嘉紀らはなぜ呼ばれなかった? 森保ジャパン“メンバー固定化”で目指すものとは
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJFA
posted2020/11/06 17:02
10月のカメルーン戦前の森保ジャパンの面々。ここから大きな入れ替えはなかった
コロナ禍が続く限りは今後も「狭く少なく」
一方でコロナ禍の影響もないとは言い切れません。森保監督は会見で次のように語っています。
「選手たちは日本代表の活動後に所属チームに戻ってプレーします。チームと代表には戦術の違いがあり、今回も代表の戦いで迷いなく思い切ってプレーしてもらえるように(戦術の)ベースを確認したいと思っています」
2020年の代表活動は10、11月の2回だけしかありません。広く多く呼ぶよりも、狭く少なく呼んで集中的に活動することで確認作業と試したい戦術的チャレンジが可能になるという判断もあったと感じています。
コロナ禍が続く限りは今後も「狭く少なく」が基本的なスタンスになるのではないでしょうか。
鈴木武蔵は大迫との距離を一気に縮めるチャンス
今回のメンバーで注目選手を1人挙げるなら鈴木武蔵です。大迫不在もあって、不動のエースとの距離を一気に縮めることができるチャンスだと言えます。
8月にベルギー1部ベールスホットに移籍すると、ここまで公式戦7試合で5ゴールという絶好調ぶりです。先のコートジボワール戦は鎌田大地ら周囲とのフィーリングを確認しながらプレーしている印象でした。真価を問われるのは、まさにこの2試合になってくると思います。
「前回の活動で彼にやってほしいというところで話したのは得点という結果を出すこと、得点に絡むこと、前線でボールに向かっていく仕事や、ときには前線でつぶれて味方につなげるプレーをしてほしいということ。ベルギーでは個のマッチアップが非常に多く、激しいマークにあいながらも局面を突破して得点を挙げていることは我々も映像で確認しています」
森保監督の会見のコメントからも期待の大きさは伝わってきます。
多士済々の2列目や橋本が戻ってきたボランチの組み合わせがどうなってくるのかも楽しみです。先発メンバー争いが激化してくるのは間違いありません。
今回も欧州組オンリーで東京五輪世代との融合チームではあります。ただ国内組が入って多少勢力図は変わるとしても、パナマ、メキシコ相手にいい結果を収めることができれば、メンバー固定化の流れはより加速していくことになるでしょう。
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