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中島翔哉は今季こそポルトで輝けるか。監督の“許し”と同僚の後押し。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byAFP/AFLO

posted2020/09/08 07:00

中島翔哉は今季こそポルトで輝けるか。監督の“許し”と同僚の後押し。<Number Web> photograph by AFP/AFLO

ポルト1年目は苦い経験をした中島翔哉。新シーズンとなり、名誉挽回なるか。

地元メディアは移籍とみていたが。

 その後の順調に勝ち点を伸ばしたポルトは、7月15日に強豪スポルティングに快勝し、2シーズンぶり29度目のリーグ優勝を達成した。さらにポルトガル杯決勝で宿敵ベンフィカを倒し、2冠を手にした。

 結局、6月3日にシーズンが再開されてから8月1日に閉幕するまで、中島は試合はおろかチーム練習にすら参加させてもらえなかった。優勝を祝うセレモニーやイベントも、すべて欠席した。

 昨季、中島はチームが戦った56試合のちょうど半分の28試合に出場した。このうち先発したのは10試合だけで、1得点3アシスト。終盤の11試合はすべてベンチ外である。

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 最も悔しいのは、本人だったはずだ。

 その後、2020-21シーズンが9月18日に開幕することが決まり、ポルトはプレシーズンの練習を8月24日に開始している。その初日、やはり中島の姿はなかった。その翌日も、そのまた翌日も……。

 これを受けて地元メディアは「監督は、中島を新シーズンの戦力と考えていない。クラブ首脳は、彼を売却するか期限付き移籍させるかの二者択一を迫られている」と報じた。

 その憶測は、必ずしも間違っていなかった。だが選手たちが監督に中島の残留を直訴し、監督がそれを受け入れたことで、首の皮一枚つながったのである。

ポルト残留は最良のオプションである。

 中島にとって、引き続きポルトでプレーすることが現時点における最良のオプションであるのは間違いない。

 昨季のポルトガルリーグの覇者として今季、チームは欧州チャンピオンズリーグのグループステージに出場する。この大舞台でプレーすることは、非常に貴重な経験となるはずだ。

 強豪クラブの一員として激しいポジション争いをしながらリーグ連覇を狙うことも、さらなる成長につながるに違いない。

【次ページ】 それでも、最悪の状況は脱した。

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