熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
中島翔哉は今季こそポルトで輝けるか。監督の“許し”と同僚の後押し。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFP/AFLO
posted2020/09/08 07:00
ポルト1年目は苦い経験をした中島翔哉。新シーズンとなり、名誉挽回なるか。
それでも、最悪の状況は脱した。
ただし昨季の不振と想定外のトラブルがあったことで、中島にとってはゼロどころかマイナスからのスタートとなる。
現時点でチームの2列目左サイドのレギュラーはルイス・ディアス。当面、中島は3番手もしくは4番手で、控えの座を争う立場にいる。
9月3日に行なわれたポルトガル2部アカデミカとの練習試合で、途中から出場した。ただし、この試合で軽い筋肉痛を訴え、5日の練習試合は欠場した。
チーム練習に参加するのが1週間遅れたハンディもあって、中島を取り巻く状況は決して簡単ではない。それでも、最悪の状況は脱した。今頃、中島はチームメイトと一緒に練習でき、練習試合でプレーできる喜びを噛みしめているに違いない。
当面は、プレシーズンの練習試合でアピールして、チーム内の序列を上げたい。シーズンが開幕したら、常にベンチ入りし、ピッチに立ったら攻守両面でチームのために懸命に働き、少しずつ出場機会を増やしていきたい。その先に、レギュラー奪取が見えてくるはずだ。
権田や安西、食野との対戦も注目。
新シーズン、中島がポルトで輝けるかどうかは、2022年ワールドカップを目指す日本代表にとっても非常に重要な意味を持つ。
ポルトガルではすでに2017-18シーズン、ポルティモネンセ在籍中に10得点12アシストというセンセーショナルな活躍をしており、この国で十分に通用する実力を備えているのは間違いない。
8月下旬に26歳になったばかりで、これからキャリアのピークを迎えるべき時期にさしかかる。自信を持って、彼本来の明るい笑顔を浮かべつつ、昨季の失地を大幅に回復するような会心のプレーを期待したい。
中島以外にも、ポルトガルでは昨季からポルティモネンセでGK権田修一(前サガン鳥栖)とSB安西幸輝(前鹿島アントラーズ)がプレーしており、9月1日にはFW食野亮太郎(前ハーツ=スコットランド=で、マンチェスター・シティからの2年間の期限付き移籍)がリオ・アヴェに加わった。
彼らの活躍とお互いの対戦も、非常に楽しみだ。