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ハバーツ、ベルナー、T・シウバ。チェルシー“独占市場”で積極補強。でもGKは?
posted2020/09/08 11:30
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
まさに “独占市場” である──。
コロナ禍による緊縮財政に各クラブが頭を抱える今年の夏、チェルシーが我が物顔で移籍市場を楽しんでいる。補強禁止処分やフロントの不手際などで2期分の市場を見送った分を、惜しげもなく投資しているようだ。
ティモ・ベルナーとベン・チルウェルを獲得し、チアゴ・シウバとマラング・サールはフリートランスファーで手に入れた。今年2月に7月1日からの契約を済ませていたハキム・ツィエクも含め、早々と5人もの新戦力を加えている。さらには、カイ・ハバーツの加入も発表された。
実戦経験を積ませるためサールはローン移籍する可能性が大きいが、そのほか5選手はいずれも即戦力だ。アーセナルに去ったウィリアン、ローマに新天地を求めたペドロの穴は、ツィエクとベルナー、ハバーツが埋めるに違いない。
ブラジル代表、ミラン、パリSGなどで数多くの修羅場を経験したT・シウバが最終ラインの中央を締め、チルウェルは人材不足の左サイドバックにピタリと当てはまる。
ランパード監督が自ら加入を説得。
しかもすべての人選をフランク・ランパード監督が進め、何人かの交渉にはみずから足を運んだり、電話で説得したり、積極的に動いたと伝えられている。
過去のチェルシーはフロント主導の補強が多く、2015年夏にババ・ラーマンをアウクスブルクから獲得した際に、ジョゼ・モウリーニョ監督(当時)が恨めしげに語ったものだ。
「ババ・ラーマン? フロントに聞いてくれ」
さて新戦力の加入により、多くのポジションでローテーションが可能になった。
◆FW:オリビエ・ジルー、クリスティアン・プリシッチ、カラム・ハドソン・オドイ、ミヒー・バチュアイ、タミー・エイブラハム、ツィエク、ベルナー
◆MF:ジョルジーニョ、ロス・バークリー、エンゴロ・カンテ、ルベン・ロフタス・チーク、マテオ・コバチッチ、メイソン・マウント、ビリー・ギルモア、ハバーツ
◆DF:セサル・アスピリクエタ、リース・ジェームズ、アントニオ・リュディガー、アンドレアス・クリステンセン、フィカヨ・トモリ、クルト・ズマ、エメルソン、マルコス・アロンソ、T・シウバ、チルウェル、サール