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練習50分武田高、2年連続プロ入り?
中学4番手からドラフト候補に成長。
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高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2020/07/09 15:00
![練習50分武田高、2年連続プロ入り?中学4番手からドラフト候補に成長。<Number Web> photograph by Yu Takagi](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/f/700/img_0f89454de2b0c61f5c71db06f541e4c0146023.jpg)
本格派右腕としてすでにスカウトから注目されている武田高校3年・久保田大斗投手。
休校期間にも生かされた自主性。
久保田を始め、武田高校の生徒は言語化能力の高さや課題解決のための引き出しの多さを随所に感じる。そんなことを直接ぶつけてみると、「答えを直接教えてくれるのではなく、ヒントを与えて自分で考えるように仕向けてくれます。だから理解が深まります」と岡嵜雄介監督や高島トレーナーらの存在が大きいと話した。
4月の緊急事態宣言下での休校期間にもそれは大いに生きた。寮に残った久保田は1日2、3時間と決められた自主練習時間の中で投球やトレーニングの量を落とすことなく精力的に取り組んだ。普段の平日が練習50分と考えれば、むしろ時間は多く取れた。トレーニングはスクワットやベンチプレスなどウェイトを主に使う日とボックスジャンプやダッシュなど瞬発系を主に行う日と分け、それを2日ずつのローテーションで回していった。
休校期間を終えた5月中旬には甲子園中止の決定もなされたが、「薄々は分かっていたので、やっぱりこれからに向けて、落ち込んでても何もならんなと思っていました」と振り返るように、自らのやるべきことに目を向けることは怠らなかった。
「谷岡さんはシンプルにカッコイイなと思った」
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最後の大会までも残り2週間を切ってきたが、課題を明確に捉えて向かっていく。
「球速が上がった分ナックルカーブの曲がりが大きくなったので、もう少しストレートに近づけたいですね。自分の握りは親指が中指の真下にあるんです。それを少し人さし指に近づけてジャイロ成分を増やして(回転軸を捕手により向けて)より終速を落とさないようにしたいと思っています」
進路は「プロ1本」に絞った。支配下契約がもちろん目標だが、たとえ育成契約でもNPBに進むつもりだ。「谷岡さんはシンプルにカッコイイなと思ったんです」と、そこでは情感を持って語り、最高峰の設備と環境で腕を磨きたいと考えている。
「トレーニングをコロナの期間もやってきましたし、これからもやっていくのでその成果がいつも通り出せれば勝てると思っています。勝ちにもこだわりたいですし、自分の中でもレベルアップしたいです」
普段とは違う異例の夏を迎えるが、久保田は自身と冷静に向き合いながら、理想の投手へと高みを目指し続ける。その積み重ねを経てどんな投手になっていくのか楽しみだ。
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