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練習50分武田高、2年連続プロ入り?
中学4番手からドラフト候補に成長。
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2020/07/09 15:00
本格派右腕としてすでにスカウトから注目されている武田高校3年・久保田大斗投手。
久保田も驚いたトレーニング。
事前情報を把握して入学した久保田だったが、入部してからも驚きの連続だった。
武田高校の練習は前述のように平日の全体練習の時間は50分しかないため、各選手が目的や課題設定に応じてバラバラのメニューを行う。『フィジカルとデータで高校野球に革命を起こす』というスローガンのもとでその両面には徹底的にこだわっている。フィジカルに関しては様々な器具が用意され、プロ選手も多く通う『Mac’s Trainer Room』の高島誠トレーナーの指導のもと、久保田も筋力だけでなく身体操作性も向上させた。
「高島さんあってこその今の自分だと思っています。ウェイトトレーニングをしているというと、力で投げるイメージがあるかもしれませんが、身体操作も考えてやっています。だから、どれかに絞るのでなく万遍なくやるようにしています」
やらされるのではなく、自分のために。
そして全体練習の短さについても「自分で追い込み“短時間で高強度”でやりたいんで、“まだこれができる時間あるんだ”と思うことが多いですね」と、メリットは大きいと語る。
練習メニューを指導者と相談しながらコード表の中から選び、各自が必要なものを組んでいくため「言われて・やらされてではなく、自分で自分のために追い込むので良いことだと思いますし、効果も自分でよく分かりますね」と実感するように着実に成長を遂げてきた。
また、自らと向き合う姿勢は練習中でも強く感じる。武田高校では久保田に限った話ではないが、iPadやスマートフォンで投球フォームを随時、細かく確認。ICT推進校として生徒全員にiPad1台が支給されている利点も存分に生かしている。