令和の野球探訪BACK NUMBER
練習50分武田高、2年連続プロ入り?
中学4番手からドラフト候補に成長。
posted2020/07/09 15:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
広島県東広島市にある私立武田高校。昨年、谷岡楓太(ふうた)がオリックス・バファローズに育成ドラフト2位指名され、同校史上初のプロ野球選手誕生となった。
夜間に補習を行う学校方針により平日の全体練習はわずか50分。そんな環境下でのドラフト指名とあって、大きな話題を呼んだ。そんな谷岡に続けと、今年も本格派右腕の久保田大斗(だいと)が進路を「プロ1本」に絞り、先駆者の後を追おうとしている。
球速は最速144キロながら、小さなテークバックから体幹の力を上手く生かしたキレと制球の良いボールを投げ込む。変化球もツーシーム、スラッター、ナックルカーブ、スプリットを持つ。体格も180cm82kgにまで成長。安定感は谷岡以上とも言え、7月18日に初戦を迎える広島の代替大会でも自身のアピールと上位進出を狙っている。
ブログで見つけた武田高校。
客観的に自らを見つめ、課題やその克服のための方策を冷静に分析して話す姿は高校生らしからぬものがある。
久保田は中学時代までは無名の存在だった。廿日市ボーイズ時代は主に7番・一塁手。投手としては4番手あたりで「チーム内でもそこまで目立つ存在ではありませんでした」と振り返る。武田高校への進学は自ら探し出し、その方針に惹かれて道を選んだ。
「武田高校野球部のブログを見つけて、母と“ここどう?”と話したことがきっかけです。その記事の内容は、無理やり走らせるとかではなく、50分の中でいかに効率よく練習するか? といった内容で、それに惹かれて武田に来ました」