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限りなく健常者に近い選手が出場?
車いすバスケがパラ五輪から除外か。

posted2020/02/04 18:00

 
限りなく健常者に近い選手が出場?車いすバスケがパラ五輪から除外か。<Number Web> photograph by KYODO

2月2日、有明アリーナの完成披露式典で行われたデモンストレーションで円陣を組む車いすバスケ男子日本代表。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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KYODO

 思いがけないニュースが飛び込んできた。

 1月31日、国際パラリンピック委員会(IPC)が、車いすバスケットボールを2024年のパリパラリンピックの実施競技から除外すると発表。あわせて、東京パラリンピックからも外す可能性があることを発表したのである。

 理由は、選手のクラス分けがIPCの基準に合っていないことだとしている。

 まず前提として、「クラス分け」について説明しておきたい。

 パラリンピックの競技では、障がいの度合いに応じて、クラスが分けられる。

 例えば陸上競技の100mでは、車いすを利用する選手の種目、義足の選手の種目など、男女あわせて29種目が実施される。

 障がいの部位、程度で運動能力に差が生まれる。そのため、公平になるように同程度の障がいのある選手同士で競えるようにするためだ。

国際車いすバスケットボール連盟の基準が……。

 IPCにはクラス分けに関する基準があり、各競技はそれに従い、クラス分けを行なっている。

 だが、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)のクラス分けはその基準と異なっているとIPCにかねてから指摘されてきたという。

 今回の発表を受けて、日本車いすバスケットボール連盟の玉川敏彦会長がホームページにコメントを寄せている。その中に、下記の一文がある。

「当連盟といたしましては、国際車いすバスケットボール連盟(以下、IWBF)がIPCの要件を満たした規程に変更するよう訴えて参りました」

 車いすバスケットボール界でも、クラス分けの基準が異なっていること、IPCから問題視されていることは認識があった。だが、今日まで変わらずに来たことで、今回の発表に至った。

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