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限りなく健常者に近い選手が出場?
車いすバスケがパラ五輪から除外か。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2020/02/04 18:00
2月2日、有明アリーナの完成披露式典で行われたデモンストレーションで円陣を組む車いすバスケ男子日本代表。
東京大会は5月29日がリミット。
では、IPCは具体的にどこを問題視しているのか。
車いすバスケットボールは、障がいに応じて、1.0から4.5まで0.5刻みに、各々の選手に「持ち点」が設定されている。数字が小さいほど障がいの程度が重く、大きいほど軽いことを示している。
そしてコート上の5人の持ち点の合計は、常に14点以内でなければならない。つまり障がいの重い選手、軽い選手を組み合わせて、構成される。
IPCは、2021年8月末までにこの分け方がIPCの基準と合致すればパリ大会除外を取り消すとした。
東京大会については、5月29日までに4.0、4.5のクラスをIPCの基準に合わせることを求めている。
限りなく健常者に近い運動能力を持つ選手。
つまり、いちばん問題視しているのは障がいが軽いクラスである。
どのレベルまでパラリンピック出場の権利を認めるかということであり、限りなく健常者に近い運動能力を持つ選手が出場していることをIPCが疑問視してきたということを表している。
「他のパラリンピック競技では資格がないアスリートも車いすバスケットボールは認められる」というIPCのコメントが象徴している。
海外メディアでは、数十名の選手が対象になると報じられている。
障がいが軽いクラスには、得点源となる選手であったり、花形プレイヤーが少なくない。試合の展開にも影響を及ぼす可能性がある。