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森保サッカーはノーマルだけど難解!?
トルシエ&黄金世代との一致と相違。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2019/12/16 20:00
日本人監督で初(過去にはF・トルシエ元監督)となるA代表と五輪代表の兼任監督の森保一監督。その戦略眼は卓越している。
監督はカリスマである必要があるのか?
最後に森保一という監督について。
サッカーの監督がカリスマティックであるに越したことはない。
では森保にもカリスマ性は必要であるのか?
彼の謙虚さと知性が、場合によってはマイナスに働きうることは留意しておくべきだろう。
相変わらず会見でも森保は謙虚である。だが、ひとつ言えるのは、メディアや世論を説得するための言葉はあった方がいい、ということである。オシムほどの強い言葉の力を森保に望むのではない。そうではなくて問題は、例えば彼が言うところのコンセプトの全貌が、チームの外には曖昧なままにしか伝わっていないことである。
これは話を聞く側のわれわれメディアにも責任があるが、わかりやすい言葉でわかりやすく考えを伝えるのも、代表監督というメディアティックな立場の人間の役割である。その点は、彼が実践しているのがいかにノーマルなフットボールであるかを理解するためにも、森保監督にも考えてほしいと思う。