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伝統を繋ぐ早稲田大学が見せる底力。
中央大学の2020年は復活の礎となるか。 

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箱根駅伝2020取材チーム

箱根駅伝2020取材チームhakone ekiden 2020

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photograph byNanae Suzuki / Shigeki Yamamoto

posted2019/12/18 11:00

伝統を繋ぐ早稲田大学が見せる底力。中央大学の2020年は復活の礎となるか。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki / Shigeki Yamamoto

山上りは「畝で勝負をかけます」。

 そして今回の中大の勝負どころは山上りの5区だ。藤原駅伝監督は自信をもって選手を送り出す。

「今回は畝で勝負をかけます。4区終了時点でひとケタならば願ってもない展開ですが、ふたケタであっても、畝が順位を上げていくはずです」

 畝は、倉敷高3年生の時に全国高校駅伝で1区を走り、優勝を経験している。そして中大に入ってからも山上りでの活躍を期待されてきた藤原駅伝監督の「秘蔵っ子」だ。

 前々回、1年生で5区を担当した時には1時間14分30秒で走り、区間10位と上々のデビュー。前回はケガで不出場だったが、今季は予選会のあと、11月に行われた上尾ハーフマラソンで1時間2分59秒の自己ベストをマークし、本人も自信を深めている。畝は箱根駅伝に向けての抱負を次のように話す。

「今年はフォーム改造にも取り組んで、最後まで足を残した形で5区を走りたいですね。監督からは『1時間10分台で行っちゃっていいよ』と言われていますが、さすがにそこまでは無理かと(笑)。それでも、コンディションを整えて、確実に1時間12分台で走り、シード権獲得に貢献したいですね」

 藤原駅伝監督は、畝がひとケタ順位でフィニッシュすれば、復路もスムーズにたすきがつながる駅伝ができる陣容は整えているという。

学生から戦う姿勢が見えてきた。

 監督として4年目を迎え、藤原駅伝監督はチーム全体の成長に目を細める。

「これまでは、どうしても選手たちの甘さに目が行ってしまっていましたが、今年はこれまで中距離で活動していた4年生の田母神一喜が合宿所に帰って来てくれて、リーダーとしてチームをまとめてくれています。学生たちで話し合い、『強くなるためにどうすればいいのか?』ということを突き詰めています。学生から戦う姿勢が見えてきたのは、本当にうれしいですね」

 森、三浦といった下級生の成長は頼もしく、もしも畝が5区で藤原駅伝監督が想像するような走りを見せられれば、久しぶりに「C」のマークが箱根駅伝でインパクトを与えることになるだろう。

 2020年は、中大復活の礎となる年になるかもしれない。

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