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エメリに続いてシウバも解任決定。
短命化のプレミア、次の犠牲者は?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/12/10 11:30
鎌田大地の2ゴールによってアーセナル監督の任を解かれたエメリ。プレミアの監督解任は今後も続くのだろうか。
キケ・フローレスはたった85日で。
いま、各クラブの上層部は性急なまでに答を求めている。
12月1日、ワトフォードがキケ・サンチェス・フローレスを解雇した。ハビ・グラシアの後を受けた9月7日、4シーズンぶりに復職したにもかかわらず、わずか85日でイングランドを追われた。10試合でわずか1勝しかできなかったのだから、言い訳はできない。
確かにフローレスの采配には疑問があった。ゲームプランが曖昧で、選手の個性を活かせなかった。ただ、3カ月足らずで何ができるというのだろうか。
戦略・戦術は練り上げるまでに時間がかかる。金曜日に密度の濃い練習をしても、週末の本番で即フィットというわけにはいかない。しかもワトフォードは、監督のポストを軽視してきた。
2015-16シーズン以降、フローレスとワルテル・マッツァーリ(現トリノ監督)は1シーズン、続くマルコ・シウバとハビ・グラシアは1年7カ月、そして戻ってきたフローレスが85日。取っ替え引っ替えだ。現場の混乱が目に浮かぶ。
ポチェッティーノ解任の余波?
クラブを牛耳るポッツォ・ファミリーは、長期的なプランを練る意識すらない。ナイジェル・ピアソン新監督も短命に終わるだろう。
エメリやフローレスと異なり、トッテナムは約5年半も続いたポチェッティーノとの関係を清算した。クラブ内の人間関係に亀裂が生じていたため、やむを得ない選択だったともいわれている。ただ、トッテナムが長い間のポチェッティーノ体制を崩したため、そのほかのクラブも決断しやすくなったのではないだろうか。
「チャンピオンズリーグのファイナリストですら監督を解雇したのだから、我々も急がなくては」と各オーナーが考えても不思議ではない。