欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
エメリに続いてシウバも解任決定。
短命化のプレミア、次の犠牲者は?
posted2019/12/10 11:30
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Uniphoto Press
♪奮闘~、努力の甲斐もなく~。
名優・渥美清さんが唄った「男はつらいよ」の一節である。
近ごろ、監督の任期が短くなってきた。奮闘しても努力しても報われず、任をあっさり解かれてしまう。
現地時間11月29日、ウナイ・エメリがアーセナルを追われた。在任期間は1年190日。ウィリアム・エルコートの10カ月5日、トーマス・ミッチェルの11カ月11日、ブルース・リオクの1年58日に続く歴代ワースト4の短命に終わった。
アーセナルのフットボール部門を統括するラウール・サンジェイは、常日ごろからエメリを支持していた。メディアやOBが守備の改善、アウェーのパフォーマンス向上を訴えても、エメリ続投と発言していた。
モウリーニョの言葉に感じる覚悟。
ところがヨーロッパリーグのフランクフルト戦に敗れた数時間後、前言撤回。我慢の限界だったのか、あるいは予定どおりなのか。監督交代に踏み切ったのである。後任は未定。当面はアシスタントコーチのフレデリク・ユングベリが暫定的に指揮を執るが、高級紙『タイムズ』によると、「12人もの候補者をリストアップし、すでに面談を始めている」という。
「サー・アレックス・ファーガソンやアーセン・ベンゲルのように、ひとりの監督が20年以上も監督を務めるような時代は終わった」
エメリOUTの知らせを聞いたジョゼ・モウリーニョが、みずからに言い聞かせるように語っていた。
チェルシーを二度、レアル・マドリーとマンチェスター・ユナイテッドも志半ばで追われているだけに説得力がある。11月20日、マウリシオ・ポチェッティーノ解雇後のトッテナムに着任したばかりだが、結果が伴わなければ早々とクビを通告されても不思議ではないと、覚悟しているかのようだった。