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藤田晋オーナーに独占で直撃質問。
ゼルビアとJクラブ経営、思いの丈。

posted2019/11/13 19:00

 
藤田晋オーナーに独占で直撃質問。ゼルビアとJクラブ経営、思いの丈。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2018年10月、経営参画が決まってホームスタジアムを訪れた際の1枚。藤田オーナーとゼルビアは、どのような道を歩むのか。

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郡司聡

郡司聡Satoshi Gunji

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J.LEAGUE

 10月11日、Jリーグ界隈を賑わす、1つの出来事が町田で起こった。

 町田のサポーターミーティングに参加した藤田晋オーナー(サイバーエージェント代表取締役社長)は、クラブの“未来構想”と題したプレゼンテーションを展開。そこでクラブのリブランディングの一環として、チーム名を「FC町田トウキョウ」に改称する意思があることを表明した。

 Jリーグの歴史において、チーム名に新たな地域名などが加わることがあっても、これほどまでに大きな改名は前例がないため、サポーターミーティングは紛糾。質疑応答の場で、ある大学生サポーターが涙交じりに“ゼルビア愛”を語ると、事態は一変した。

 若手サポーターの声に聞き入った藤田オーナーは、最終的にチーム名の改称を保留し、1週間が経過した10月18日のことだった。クラブの公式ホームページを通じて公開された「オーナーからのメッセージ」で、藤田オーナーは2020年シーズンに関して名称、ロゴなどは継続することを表明した。

 ひとまず、Jリーグ界隈を賑わせた町田のチーム名改称問題は、一旦幕を閉じる形となった。

 一方で昨年10月、町田の運営会社である株式会社ゼルビアが、サイバーエージェント(CA)グループへの参画に調印した際の契約条項には、チーム名の改称が条件の1つとして盛り込まれていたという。それを覆してまで藤田オーナーは「ゼルビア」の名を残す決断を下した。その背景にある思いとは。また企業経営者としての顔を持つ藤田オーナーが、Jクラブの経営に参画することでJリーグ全体に吹き込もうとしている新風とは――。藤田オーナーを直撃した。

投資への説明をつけるために。

 まずは10月11日のサポーターミーティングで、藤田オーナーが語ったクラブの“未来構想”について振り返ってみる。

 藤田オーナーはクラブビジョンとして、2020年から2025年までの“6カ年計画”を掲げている。その内容とは、'20年にJ1昇格、'21年にJ1参戦。そして'24年にJ1優勝を果たし、'25年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇するというビジョンだった。それを実現させるためには、クラブの予算規模拡大はマスト事項である。

 昨季1試合平均観客動員数が4915人である町田にとって、さらなるファン拡充は必須で、そのためにも藤田オーナーはクラブのリブランディングが必要であることを強調。その一環として、チーム名改称の意思を表明した。

「ビジネスの世界では、多額の資金を導入しながら規模を大きくするためには、強気の経営計画を見せる必要があります。実現しにくいものとは分かっていますが、その目線に合わせないと、投資額に対して説明がつきません。正直、僕もその目標が簡単ではないことは重々承知しています。ただそれぐらいやらないと、(東証一部上場企業の経営トップという)僕の立場では、投資への説明がつかないのです」

【次ページ】 投資に見合う事業にするプラン。

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