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五輪代表選考に急な「待った」!?
クライミングでも国際組織の謎決定。 

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森山憲一

森山憲一Kenichi Moriyama

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photograph byKenichi Moriyama

posted2019/11/07 11:30

五輪代表選考に急な「待った」!?クライミングでも国際組織の謎決定。<Number Web> photograph by Kenichi Moriyama

8月のクライミング世界選手権で5位だった野中生萌も、急転直下で代表決定?

代表選考には3つの舞台がある。

 ここで、スポーツクライミングの代表選手選考システムを説明しておこう。

 IFSCの規約では、選手選考には以下の3つの舞台が用意されている。

(1)世界選手権(2019年8月/東京・八王子)

(2)オリンピック予選大会(2019年11月28日~12月1日/フランス・トゥールーズ)

(3)大陸別選手権(アフリカ・アジア・ヨーロッパ・パンアメリカン・オセアニアの計5エリアで、2020年2~5月に開催)

 これらの大会で、以下の成績をあげた選手に出場権が与えられる(男女とも同じ)。

(1)上位7人

(2)上位6人

(3)各大陸の優勝者(5大陸で計5人)

 以上の計18人に、開催国枠1人と「三者委員会招待枠」1人を加えて、計20人が出場可能だ。ただし、1カ国2人という上限人数が設定されているため、同じ国の選手が上位に2人いた場合は対象にならず、他国の選手が繰り上げされる。

 他に細かい付帯条件もあるのだが、ざっくりいうと、このような流れでオリンピック出場選手は決まるようになっている。

 こうして見るとそれほど複雑な手続きではないが、日本だけは「開催国枠」があるため、やや特殊な決定方法を採用している。そして、今回、問題となっているのがこの部分なのだ。

日本は世界の最強国なので……。

「開催国枠」というのは、選考大会で所定の成績を残した選手が仮にゼロであったとしても、男女1人ずつは出場が保証されるというもの。いわば最低保証のようなもので、国別上限人数にプラスして与えられるエクストラではない。

 現在、世界の最強国である日本は、3回ある選考大会の結果で上限の男女各2枠が埋まらないということは考えにくいので、開催国枠が与えられていることに実質的な意味はあまりない。

 事実、8月の世界選手権では、男子が優勝した楢崎智亜のほかにも、原田が4位、楢崎明智が5位、藤井が6位。女子は2位の野口を筆頭に、野中が5位、森が6位、伊藤が7位と、男女それぞれ4名の選手が入賞している。

【次ページ】 「開催国の裁量」で内定を保留してきた。

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