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金子達仁が見てきた敗者の態度。
ラグビーW杯の今後と釜石の未来。
text by
金子達仁Tatsuhito Kaneko
photograph byGetty Images
posted2019/11/06 20:00
表彰台から降りてまもなく、銀メダルを外したイングランド代表HCエディー・ジョーンズ。その表情から悔しさが滲み出ていた。
青臭いおとぎ話? そうかも。
新聞報道によると、早くも来年の7月、イングランドが日本と戦うことが決まったらしい。今後、世界のラグビー大国が日本にやってくる機会はどんどん増えていくことだろう。
その中の1試合、1年に一度、とびっきりのカードを釜石に持っていく、ということはできないだろうか。
釜石は遠い。鵜住居復興スタジアムは小さい。けれども、ジャパンが世界の強国と戦うとなれば、ラグビーファンは足を運ぶだろうし、釜石であれば相手チームもスタジアムの小ささに納得してくれるだろう。そして、釜石を年に一度、ラグビーファンにとっての聖地として育てていけば、交通の便に対する不満の声が高まり、改善の機運が高まり──スポーツが国や行政を動かす、ということにつながるかもしれない。
青臭いおとぎ話? そうかも。でも、諦めようとは思わない。
日本がアイルランドやスコットランドを倒す?
子供たちがラグビースクールに殺到する?
テレビの瞬間最高視聴率が50パーセントを超える?
日本中がワールドカップロスに陥る?
半年前だったら、どれもおとぎ話レベルだっただろうから。