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フランス杯優勝、コストルナヤが
説いた「4回転」に勝つ方法論。
posted2019/11/06 11:50
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Joosep Martinson-ISU/Getty Images
11月3日に終了した、GP3戦目フランス杯。グルノーブルで開催されたこの大会で、女子のタイトルを射止めたのはロシアの新人、16歳のアリョーナ・コストルナヤだった。
これでスケートアメリカ、スケートカナダ、そしてこのフランス杯と3戦連続で、今季シニアGPデビューをしたロシアの新人3人が、それぞれタイトルをさらったことになる。
アメリカとカナダの結果で、フランス杯もこうなることはある程度予想していた。とはいえやはり3大会連続で、シニアのトップ選手の誰もが、ジュニア上がりの若手たちに敵わないというのは、ショッキングな現実である。
「演技構成点にもその勢いが出ている」
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フランス杯終了後、日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長は、こう感想を述べた。
「昨年、ロシア勢というよりもジュニアの3人が上がってくることは脅威というか、予想していたこと。でも体が大きくなったり、ジュニアでは演技構成点が出てもシニアに来れば、それなりにちょっと下げられるかなという、跳んでいない私たちが言うべきことではないんですけど、ちょっと淡い期待もあった。
でもいやもう全然、ジュニアの勢いのまま上がってきますし、いろいろ言う人はいますけど、演技構成点にもその勢いが出ているのかなと思います」
確かに1戦目のスケートアメリカを制したアンナ・シェルバコワ、2戦目のスケートカナダ優勝のアレクサンドラ・トゥルソワとも、技術点はともかくも、演技構成点が少し出すぎではというほど高かった。ジャンプ能力の高さは間違いないものの、スケート技術やトランジションなどはまだまだジュニアっぽさが感じられたのだが。
だがこのフランス杯で優勝したコストルナヤは、ちょっとタイプが違っていた。